男は週末になると、近くのプールで泳ぐことにしていた。
男は学生時代、水泳部だったので、泳ぎには自信があった。
近くのプールに、男より速い奴は見当たらなかった。
いつしか、男が泳ぐコースには、誰も寄り付かないようになった。
ある日、男より速い小学生たちが現れた。
男は小学生たちに、300メートルリレーでの対決を申し入れた。
対決当日、男は助っ人を頼んだ筋肉じじい、筋肉ばばあと入念な打合せを行った。
オトナが本気を出したら、どうなるか教えてやる、男は不敵な笑みを浮かべた。
対決が始まり、第一泳者の筋肉ばばあがスタートした。
驚くべきことに、筋肉ばばあは相手の小学生を徐々に引き離しつつあった。
男は筋肉ばばあに、特注の透明なフィンという足ひれをつけるよう指示していた。
勝つためには手段を選ばないのがオトナだよ、男はほくそ笑んだ。
筋肉ばばあがタッチした途端、第ニ泳者の筋肉じじいが飛び込んだ。
飛び込んだ途端、監視員のホイッスルが響き渡った。
泳ぐのを止めた筋肉じじいが見ると、監視員が「飛び込み禁止」の看板を指差していた。
あれだけ飛び込むなといったのに、脳みそまで筋肉だったとは、男は頭を抱えたw
0 件のコメント:
コメントを投稿