男は週末になると、近くのプールで泳ぐことにしていた。
男は学生時代、水泳部だったので、泳ぎには自信があった。
事実、近くのプールで、男より速い奴は見当たらなかった。
いつしか、男が泳ぐコースには、誰も寄り付かないようになった。
大型連休の週末も、男はプールへ泳ぎに出かけた。
プールサイドへ出ると、男がいつも泳ぐコースに、高校生らしき男たちがいた。
男は邪魔だと思ったが、競うのもいいかもしれないと思った。
高校生らしき男たちを先に泳がせ、男は追い上げてやることにした。
高校生らしき男たちがスタートした。
時間差をおいて、男もスタートした。
だが、距離を縮めることはできず、距離は開いていく一方だった。
こいつら、水泳部で大会出場経験もあるに違いない、男は思った。
そのとき、チャイムが鳴り、アナウンスが流れた。
「時間になりました、小学生は帰りましょう」
帰ろ、帰ろといい、男のコースで泳いでいた男たちは帰っていった。
高校生だと思っていた男たちが小学生だったことに、男は愕然としたw
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