2025年8月24日日曜日

【エッセイ】知っておきたい健康の知識~脳科学~

近年の脳科学研究は、記憶・学習等の脳機能、アルツハイマー病やパーキンソン病等の脳病態、子どもの脳発達への環境の影響等を着実に明らかにしつつあり、また、脳とコンピュータ機器や身体補助具の開発との連携により、脳機能や身体機能の回復・補完を可能とする技術等の進展ももたらしつつある。このようなことから、脳科学研究は、少子高齢化社会を迎える我が国の医療・福祉の向上や、将来的には、乳幼児保育や教育が直面している問題等へ適切な助言を与えうるという観点で、現代社会が直面する様々な課題の克服に向けて、社会からの期待や関心は極めて大きい。
また、国際的な経済競争が激化する中、我が国においても、社会に新たな活力をもたらし、経済成長に貢献するイノベーションの創出が求められている。脳科学研究の成果は、例えば革新的な情報処理・操作システム、介護支援ロボット、産業ロボット等の開発を可能とすることから、それらを通じて新しい知見や技術に基づく産業を創出し、社会・経済の発展に資することが期待される。
(「国内外における脳科学研究の現状と問題点について」文部科学省サイト)

会社員時代に受けた脳ドックで、高脂血症(脂質異常症)と診断された。
以来、投薬治療を始め、定期的にMRI検査、頸動脈エコー検査などもしてもらっている。
先日のMRI検査の脳の断面画像で、脳梗塞になった跡があるといわれた。
自覚がなかったことと今後のことが気になったので、脳について調べてみたw

一般的には、加齢とともに脳の機能は衰えていくと思われている。
ところが実際は、適度な刺激を受けることで絶え間なく機能を高めていくらしい。
以前は、脳の成長は、おおむね決まった手順を踏むと思われていた。
だが、よく使う、あるいは得意な機能に偏って発達することが多いらしいw――

大脳の神経細胞は生まれて1歳頃からは、ほとんど増えることなく、徐々に減っていく。
だが、神経細胞は加齢とともに大きく太くなり、神経線維を伸ばしていく。
樹木のように枝ぶりを成長させ、脳内ネットワークを広げていく。
脳の各領域がそれなりに発達して、個性が出始めるのが30歳前後らしいw

脳の一部に位置する「超脳野」は、様々な経験により育つらしい。
記憶力・知識力に関係する「超側頭野」は30代。
多様な情報を統合して理解・分析する「超頭頂野」は40代。
思考・判断し実行するための「超前頭野」は50代以降でようやく成長の旬を迎えるらしいw

「超脳野」には、50歳程度ではまだ使われていないところが多くあるとのこと。
驚くことに、脳の成長は80歳、90歳を過ぎても続くらしい。
脳は臓器のなかで最も長持ちし、その寿命は120年。
したがって、長寿者の脳は、常に成長し続けていることになるw

50代後半になると、使っていない脳の機能は衰えていく。
これは単に加齢ではなく、あまり使わない部分に老化物質が溜まっていくためらしい。
常に活発に使っている部分は変わらず、発達を続ける。
また、未開発だった潜在能力細胞も成長し始めるらしいw
(参考:「脳貯金で100歳までイキイキ」知るぽると)

脳は、加齢とともに、少しずつシワが深く大きくなっていく。
これは、徐々にだが、脳が萎縮しているため。
一般的には、30歳代くらいから少しずつ脳の萎縮が始まる。
65歳くらいになると、肉眼的にも「明らかな萎縮がある」ことが、わかるようになるw

脳の重さは、成人男性で1300~1400グラム、成人女性で1200~1300グラム程度。
90歳になると60歳の脳よりも5~7%程度軽くなるといわれている。
萎縮の早さや程度は個人差によるところが大きく、また部位によっても差がみられる。
特に前頭葉や側頭葉は、加齢に伴う萎縮が目立つ部分であるといわれているw

脳が萎縮する主な原因の一つに、「神経細胞数の減少」がある。
一説によると、脳では毎日およそ10万個もの神経細胞の脱落が起きている。
だが、脳全体には140億個もの神経細胞がある。
毎日10万個の神経細胞が脱落しても、全部なくなるまでには400年近くかかるw

脳には強い「代償能力」があるため、脳の機能は失われにくいといわれている。
神経細胞が脱落しても、残った神経細胞が新たな神経伝達の経路を作り出すらしい。
過去の研究では、脳の一部に、神経細胞を新生する能力のある細胞(幹細胞)が存在。
高齢者の脳でも神経細胞の新生が行われていることが、明らかにされているらしいw

自身もそうだったが、成長が終わった脳の神経細胞は分裂増殖しないと思われていた。
ところが、幹細胞の存在が明らかになり、過去の常識は通用しなくなった。
脳が萎縮することによる影響として認知機能の低下、いわゆる認知症がある。
だが、脳の萎縮が病的に起こった場合にのみ、発症すると考えられているw
(参考:「脳の形態の変化」健康長寿ネット)

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