2025年8月12日火曜日

【エッセイ】知っておきたい経済の知識~バブル景気~

8月8日の日経平均株価終値は41,820.48円、PBR(純資産倍率)は1.53倍だった。
同日の定価であるBPSは、41,820.48円÷1.53倍=27,333円。
定価27,333円の日経平均株価が、41,820円で取引されていることになる。
バブル期も同じような状態だったんだろうなと思い、バブル景気について確認したw

1985年のプラザ合意により急激な円高になり、輸出企業の業績が低迷、円高不況となった。
日本銀行は金融緩和を実施し、1987年に政策金利を2.5%まで引き下げた。
円高不況を克服した後も金融緩和を続けたことで、土地や株式などの価格が高騰した。
期間は1986(昭和61)年12月から1991(平成3)年2月までの51か月間とされているw

日経平均株価は、1986年頃から急上昇し始めた。
1989年12月29日には38,915円、同日の大納会ザラ場で最高値の38,957円を記録した。
バブル期の日本株のPER(株価収益率)は80倍以上となっていた。
バブルが弾ける直前の日本株のPERは、100~200倍だったw

東証株価指数(TOPIX)も1986年頃から急上昇し始めた。
1989年12月18日 には2884.80、同日のザラ場で最高値の2886.50を記録した。
1986年1月大発会の1049.13と比較すると3倍弱、上昇率で200%弱の上昇となった。
このときの最高値に、再び到達したのは34年後の2024年7月4日のことだったw

1990年3月に総量規制が開始されると、崩壊が始まる。
株や土地などの資産は下落し、企業や投機家が多大な損失を抱える事態となった。
土地や株式などの収益率が著しく低下していたため、持続可能性を喪失した。
1973年12月より17年3か月間続いてきた安定成長期は、終焉を迎えたw

バブル景気の膨張と崩壊の原因は、政府と日銀にあり、以下の2点だといわれている。
・プラザ合意による円高不況克服後も、金融緩和(低金利)を続けてしまったこと。
・突然すぎた金融引き締め策(総量規制)を行ったこと。
金融緩和を続けた要因には、以下があるといわれているw

・財政再建のため、金融政策による景気刺激を求める政治的な圧力があったこと。
・金融緩和によって円高を回避しようという政府・与党などからの圧力があったこと。
・円高に苦しむ輸出企業のため、金融政策は緩和的であるべきという認識があったこと。
これらの反省から、1997年に日銀法が改正されて、日銀の独立性が高められたw
(参考:「バブル景気」Wikipedia)

下図は、TOPIXの長期チャートで、赤の破線が定価であるBPSになる。
バブル景気が始まったとされる1986年までのTOPIXは、ほぼBPSと同水準だった。
今回の急上昇が始まったのは、2022年半ばからで、すでに3年以上、上昇している。
日銀が利上げ、もしくは米国が利下げをすれば、下がり始める可能性が高いと思っているw

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