2026年6月30日火曜日

【本日の取引】20260630~本日の取引はなし

自身は、レバレッジ型やインバース型ETFを手がけている。
これらは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品。
したがって、投資経験の浅い方や日中取引ができない方にはオススメしていない。
だが、誰かの参考になればと思い、取引内容を発信しているw

本日の取引は以下の通り。
前場------------------------------------------
・なし
後場------------------------------------------
・なしw

朝の気配から、相場は高値圏で推移する可能性が高いと思った。
することがないので、休むも相場にした。
終わってから確認すると、保有株は下がっていた。
インバース型ETFも下がったので、前日比はマイナスだったw

下図の上は、2015年からの日経平均株価とTOPIXの推移。
下は、2015年からのTOPIXとユーロ円、ドル円の推移。
ドル円が39年ぶりの円安水準、162円台に突入した。
今の首相の政策は円安になる政策なので、さらに円安が進むと思っているw
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追記(今宵の酒の肴)
今宵の酒の肴は乾きものなので、画像はなし。
4月から書いている小説「神崎教授とAIの事件ファイル」。
5月から、小説投稿サイトにも投稿している。
投稿している理由は、誰かの暇つぶしになればよいかなと思ったのが理由w

5月から投稿してきたが、日が経つにつれ、PV数が増えている。
ありがたいことに、よい評価をしてくれた人、ブックマークしてくれた人もいた。
おかげで一時的だがランキング入りしたこともあった。
物語もいよいよ終盤、近日中に完結するかもしれないw

投稿することで、小説を読みたい人に読んでもらうことができる。
「神崎教授とAIの事件ファイル」が終わったら、次の小説を投稿する予定。
投稿するのは「銘柄を明かさない理由R」。
相場師が主人公の小説は少ないので、暇つぶしになるのではと思っているw

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP64 午前零時のゲームオーバー

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業『ダーウィンスペース』日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。遠隔監視操作プログラム『OmniSight(オムニサイト)』を開発した。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。『ギルド』の潜伏員(スリーパー)。

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EP64  午前零時のゲームオーバー

東京都品川区。
上条はネットカフェ『アットスペース』から、防犯カメラの死角を歩いてきた。
あれにするか、上条が目をつけたのは桟橋に繋がれた小型のボートだった。
屋根はあるが周囲に壁やドアのないハードトップ付きオープンボート。

操縦席から後部デッキまで、コンソールカバー(船体カバー)で覆われている。
中を見せない防犯対策だが、中に入れば、絶好の隠れ家になる。
23時を過ぎた海面は干潮のため、満潮時より1.8メートルほど下がっている。
桟橋を歩いてきた上条はボートに飛び降りた。

鈍い音とFRPの床が軋む音がし、ボート全体が大きく揺れ、周囲の水面を波立たせた。
飛び降りた姿勢のまま、周囲の気配を伺ったが、気づかれたような気配はなかった。
操縦席の後部を覆うカバーの隙間を両手で広げると、カバーの下に潜り込んだ。
暗闇に目が慣れると、操縦席へ行き、ポケットからスマホを取り出し、座った。

外の音は聞こえるが、視界はカバーで遮断されている暗くて狭い空間。
閉所恐怖症の人は耐えられないだろうが、ハッカーには理想的な空間だった。
スマホの時刻を確認すると、23時20分になろうとしていた。
午前0時まで時間があるので、待ち伏せしていた刑事のことを調べることにした。

スマホの画面の中にある「MAC」のショートカットアイコンをクリックした。
立ち上がった画面で、偽のMACアドレスを作成、設定すると、画面を閉じた。
インターネットの設定画面を開くと、観光船のフリーWI-Fiに接続した。
多くの観光船はフリーWI-Fiを用意しており、夜間は陸から電気を引き込むので使用できた。

夜間、観光船が停泊している場所は、フリーWI-Fiに接続することができる穴場だった。
スマホの画面の、紫色のショートカットアイコンをクリックした。
「Tor」ブラウザの独特な玉ねぎマークのロゴが表示された。
「Torネットワークへの接続を確立しています…」、プログレスバーがじりじりと伸びる。

通常のブラウザなら、コンマ数秒で終わる工程だが、「Tor」は違う。
暗号化されたトンネルを世界中に掘り進めている。
「ガードノードの承認完了。ディレクトリスパイクを取得中……」
バーが右端まで到達し、「Tor」ブラウザが立ち上がった。

通信経路の設定画面を開き、。警視庁のサーバーまでのノードにするサーバーを設定した。
画面上には、世界地図を縫い合わせるように繋がった3つのIPアドレスが表示された。
警視庁サーバーのIPアドレスを入力し、「OK」をクリックした。
数分後、警視庁サーバーに接続すると、協力者に仕込ませていたオムニサイトを起動した。

オムニサイトを操作し、職員データベースにアクセスした。
顔認証照合に、ネットカフェの防犯カメラで撮影した刑事の画像を放り込んだ。
データベースとのマッチングが行われ、刑事の氏名、所属、経歴が表示された。
佐藤波流、警視庁 サイバー犯罪対策課、東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒。

同じ大学の後輩じゃないか、2020年卒業なら神崎教授の最後の教え子か。
だから、待ち伏せできたのか、優秀な理由が理解できた。
待てよ、教え子が刑事なら、神崎教授が捜査に協力している可能性があるな。
上条は警視庁のシステムから出ると、東都電力のシステムに接続しようとした。

通信経路の設定画面を開き、。東都電力のサーバーまでのノードにするサーバーを設定した。
画面上には、世界地図を縫い合わせるように繋がった3つのIPアドレスが表示された。
東都電力サーバーのIPアドレスを入力し、「OK」をクリックした。
数分後、「Error 403: Forbidden / Network Unreachable」の文字が表示された。

電力会社の産業用制御システム(ICS)は、インターネットに接続していない。
インターネットに接続できるよう、協力者にオムニサイトを仕込んでもらった。
接続できないということは、オムニサイトを無効化したのか。
1週間…いや数日か…わずか数日で全てのオムニサイトを見つけ、無効化するとは…。

警視庁の基幹システムも、インターネットに接続していない。
インターネットに接続できるよう、協力者にオムニサイトを仕込んでもらった。
接続できたということは、オムニサイトは無効化されていない。
つまり、電力会社に仕込んだオムニサイトだけを無効化していることになる。

無効化した方法はわからないが、見事だ。
こんな芸当ができるのは、日本では神崎教授、同期の佐倉井、あと美矢部くらいか。
オムニサイトを無効化された上条が感じていたのは、敗北感ではなかった。
自らの能力の全てを使い、戦った後の、達成感だった。

午前0時になっても、都内の停電は起きなかった。
都内では、天王洲アイルを中心に、夜通し捜査が行われた。
観光船のWI-Fiルーターのログから、上条の発信場所を特定したのは、昼過ぎだった。
公安の実働部隊が品川浦のボートに向かったが、上条の姿はなかった。
【MACアドレス(Media Access Control address)】
ネットワーク機器それぞれに製造段階で割り当てられる装置固有の 12 桁の識別番号。OSによって「物理アドレス」、「Wi-Fiアドレス」と表示される。MACアドレスが重複することはないが、MACアドレスを変更するソフトウェアなどもあり、意図的に変更した場合は重複することがある。
【Tor(The Onion Router)】
通信経路を暗号化・多段中継して匿名性を確保する、フリーかつオープンソースの通信技術。IPアドレスなどの痕跡を隠してWeb閲覧や通信が可能になり、通常アクセスできない「.onion」サイト(ダークウェブ)の利用にも使用できる。通信は世界中のノードを経由するため、速度は遅くなる。
【ノード(Node)】
「結び目」「節」「中心点」を意味し、IT・ネットワーク分野では、コンピュータ、サーバー、ルーター、スマホなど、ネットワークに接続された個々の機器やプログラム。ネットワークを構成する「点」であり、線(リンク/エッジ)で結ばれて通信を行う。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年6月29日月曜日

【本日の取引】20260629~本日の取引はなし

自身は、レバレッジ型やインバース型ETFを手がけている。
これらは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品。
したがって、投資経験の浅い方や日中取引ができない方にはオススメしていない。
だが、誰かの参考になればと思い、取引内容を発信しているw

本日の取引は以下の通り。
前場------------------------------------------
・なし
後場------------------------------------------
・なしw

朝の気配から、相場は高値圏で推移する可能性が高いと思った。
することがないので、休むも相場にした。
終わってから確認すると、保有株は下がっていた。
インバース型ETFも下がったので、前日比はマイナスだったw

下図の上は、2015年からの日経平均株価とTOPIXの推移。
下は、2015年からのTOPIXとユーロ円、ドル円の推移。
日経平均株株価は、寄り付き後、大きく下がったが、終値はプラスだった。
高値圏のため、値幅が大きいが、しばらくこのような値動きだろうなと思うw
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追記(今宵の酒の肴)
今宵の酒の肴は乾きものなので、画像はなし。
昨年1年間のインターネットバンキングでの不正送金の被害額が初めて100億円を超えた。
不正送金の手口の約9割は実在する企業を装ったメールで偽サイトに誘導。
パスワードなどの情報を盗む「フィッシング」詐欺らしいw

報告件数は昨年から約74万件増え、過去最多の245万4297件。
2026年6月1日現在の日本の人口が約1億2285万人なので、約50人に1人が被害者。
証券会社を装うフィッシングメールの報告件数は31万6414件。
証券口座の不正取引額は約7408億円、被害者は少ないが1件当たりの額は多いw

自身のネット歴は、比較的、長いが、近年の手口はレベルが高いように思う。
本物そっくりのサイトを作ったり、ありそうなメールを送ってくる。
自身はインターネットバンキングを利用したことはない。
信用できないことが理由だが、今のところは正解だったかなと思っているw

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP63 ダークナイトの追跡者

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業『ダーウィンスペース』日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。遠隔監視操作プログラム『OmniSight(オムニサイト)』を開発した。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。『ギルド』の潜伏員(スリーパー)。

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EP63  ダークナイトの追跡者

東京都新宿区の東京中央技術大学病院。
データセンター棟の管理室には、神崎、佐倉井、高柳の3人がいた。
管理室では、8台のAIによるイージス・ウェブ・オペレーションが行われていた。
YUKIを始めとする8台のAIは、都内全域の防犯カメラ映像の解析を行っていた。

3人のノートパソコンの画面には、最新のYUKIからのメッセージが表示されていた。
「21時18分から21時25分、品川駅高輪口周辺の防犯カメラ映像に上条確認。
品93系統の都営バスから下車、徒歩で北へ移動している。」
メッセージの下に、バスから降りている画像、歩いている2枚の画像が表示されていた。

「混んでたようですが、ナイター競馬が終わったからでしょうね。」、高柳がいう。
「この時間帯のバスに乗るつもりだったのかもしれません。」、佐倉井がいう。
「高柳くん、YUKIに上条の行き先を予測させてもらえるかな。」、神崎がいう。
「了解です。」、高柳がキーボードを叩いて、YUKIに指示した。

ノートパソコンのチャット画面に、YUKIの予測が表示された。
「21時30分時点の行き先と確率は以下。
1.芝公園:確率30%。
2.羽田空港 国際線ターミナル:確率20%。
3.山手線・京浜東北線:確率10%。」

「1は24時間出入りできますし、2は夜でも人が多い。
3は電車に乗り続けるとすると、どれもありそうですね。」、佐倉井がいう。
神崎が高柳を見ると、何かいいたそうな顔をしていた。
「高柳くんも同じ意見かね。」、神崎がいう。

「どれも違うと思います。ハッカーならこれらの場所は避けます。
ハッキングする場所には、いくつかの必要条件があります。
これらの場所には、ハッキングに必要な条件が欠けています。」、高柳がいう。
「欠けているものは何だね。」、神崎がいう。

「欠けているのは、ハッキングに集中できる環境です。
これらの場所でのハッキングは、常に人の目を気にしなくてはいけません。
私なら、これらの場所は真っ先に対象から外します。」、高柳がいう。
「高柳くんが、上条の立場なら、どこへ行くんだね。」、神崎がいう。

「私が上条の立場なら、係留されてる船舶がある場所に向かいます。
セキュリティシステムが設置されていない船舶に侵入、そこからハッキングを行います。
品川駅から移動する場合、品川浦や天王洲アイルが徒歩圏です。
オフィスビルが多く、比較的、通信環境が良好な天王洲アイルですね。」、高柳がいう。

「木下は、運河に停泊しているプレジャーボートにいました。
停泊している船舶を利用する可能性はありますね。」、佐倉井がいう。
「通常、犯人は事件現場から遠ざかろうとすることが多い。
あえて、事件現場近くに留まれば、盲点になるな。」、神崎がいう。

「午前0時までの時間を考えれば、時間的にも向かう可能性は高いです。
もし、そうなら、すぐに警察を向かわせないと間に合いません。」、佐倉井がいう。
「佐倉井くん、美矢部くんへの連絡をお願いできるかな。」、神崎がいう。
「わかりました。」、佐倉井がいい、キーボードを叩き始めた。

「あと、どうしてもわからないことがあります。
上条は品川で身代金要求動画を撮影、品川から企業へ送信しました。
今日も品川から動画を送っていますが、品川から送信する理由がわかりません。
ハッカーなら、特定のエリアから送信しないです。」、高柳がいう。

「『ダーウィンスペース』日本法人が品川にあるからじゃないでしょうか。
土地勘があることが理由じゃないでしょうか。」、佐倉井がいう。
「そこもわからないんですよね、品川だと知り合いに会う可能性が高いじゃないですか。
私が上条なら、品川は真っ先に対象から外します。」、高柳がいう。

確かに、高柳くんのいう通りで、佐倉井くんの理由は理由になっていない。
聡明な佐倉井くんにしては、今までにない発言だ。
もしかすると、佐倉井くんは、上条が品川にこだわる理由を知っているのか。
キーボードを叩いてる佐倉井を見ながら、神崎は思った。

東京都品川区。
ビルの2階にあるネットカフェ『アットスペース』品川店では、現場検証が行われていた。
品川警察署の鑑識が、上条が使った個室席などの指紋採取を行っていた。
くそっ、あと少しだったのに、鑑識作業を見ながら、佐藤は思った。

川瀬からの電話があって、5分もしないうちに、ビルの火災報知器が鳴り始めた。
ビルの中から出てくる人やスマホで撮影する通行人などで、通りは埋め尽くされた。
とても中に入れる状態ではなく、上条が出てくるのを待つことしかできなかった。
近くの駐車場に車を停めた公安や川瀬さんが来てくれても、待つことしかできなかった。

消防車が到着、消防士が中に入った。
しばらくしてから、出てきた消防士に聞くと、火災報知器の誤作動とのことだった。
公安の実働部隊がビル内を探したが、上条の姿はなかった。
上条が使った個室席には、手つかずのコーヒーカップだけが残されていた。

店内の防犯カメラ映像を確認すると、火災報知器が鳴り始めると非常口から出ていた。
非常口から出ると、非常階段を降りて、逃げたようだった。
偶然、火災報知器が誤作動したのなら、上条の悪運が強かったことになる。
鑑識作業が終わったら、故意に作動させていないか、パソコンを調べるつもりだった。

佐藤が鑑識作業を見ていると、店内に入ってきた川瀬が急ぎ足で近づいてきていう。
「これから天王洲アイルに向かうことになった。
上条が向かった可能性が高いらしい、行くぞ。」
佐藤は、急ぎ足で出ていこうとする川瀬の後を追った。
※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年6月28日日曜日

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP62 デジタルの盲点

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業『ダーウィンスペース』日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。遠隔監視操作プログラム『OmniSight(オムニサイト)』を開発した。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。『ギルド』の潜伏員(スリーパー)。

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EP62  デジタルの盲点

東京都品川区。
あとは川瀬さんたちの到着を待つだけだ、岩田との電話を終えた佐藤は思った。
捜査本部で、新宿にいた公安と川瀬さんたちが品川へ向かったと聞いた。
そのときに真っ先に頭に浮かんだのが、上条が企業へ動画を送信したネットカフェ。

川瀬さんに行き先を確認すると、大井競馬場だった。
だが、大井競馬場にWi-FI環境があってプライバシーが確保できる場所はない。
上条が大井競馬場にいる目的はわからないが、そこでブラックアウトは実行しない。
実行するとしたら、以前、動画を送信したネットカフェの可能性が高いと思った。

捜査本部を出ると、動画を送信したネットカフェへ向かった。
ネットカフェはビルの2階で、入店するにはビルの入口から階段を上がる。
到着してから、ビルの入口が見える向かいのビルの物陰で張り込みを始めた。
21時50分、南から歩いてきた上条が現れて、ビルの入口から入った。

マスクをしていたが、髪型、目つき、体型、歩き方が上条だった。
上条が2階のネットカフェへの階段を上がっていくのを確認した。
階段を上がったところには、ネットカフェに入るドアしかない。
上条がネットカフェに入店したのは間違いなかった。

すぐに岩田さんに電話、品川のネットカフェに入店する上条を確認したこと。
川瀬さんたちに応援に行くよう、指示を出して欲しいこと。
ジャミング照射の総務省への申請は、公安の沢渡さんにお願いして欲しいと伝えた。
沢渡さんなら、上を使って、申請許可を取ってくれるだろう。

岩田さんは、でかしたといい、どちらの依頼も了承してくれた。
岩田さんによると、上条の新たな動画と最終通告が放送されたらしい。
放送直後から、内外からの問い合わせで、捜査本部は対応に追われているらしい。
もし、出るのが遅ければ、ここに来れていなかったかもしれない。

ポケットのスマホが震えたので、取り出して、確認すると、川瀬の表示があった。
通話ボタンをタップすると、以下を伝えて、切れた。
「今、公安とそちらに向かっている、20分ほどで着けると思う。
山本の拳銃は見つかったので安心してくれ、着いたら連絡する。」

品川駅高輪口から歩いてきた上条は、ネットカフェのあるビルに入った。
狭い階段を上がると、ネットカフェに入るドアを開けた。
無人化された受付のモニターで、利用時間と空いている個室席をタップした。
入店時間が印刷された伝票を置いてあったバインダーに挟み、個室席に向かった。

途中にあるドリンクバーで、ホットコーヒーをカップに淹れた。
カップを持った上条は、個室席に入ると、簡易扉を閉めた。
カップを机に置くと、デスクトップパソコンの上にあるスポットライトを点けた。
デスクトップパソコンの電源を入れた。

画面が表示されると、ポケットからUSBメモリを取り出した。
パソコンにUSBメモリを差し込み、「オムニサイト」をインストールした。
インストールが終わると、USBメモリを抜いて、ポケットにしまい、椅子に座った。
キーボードを叩いて、「オムニサイト」を起動、防犯カメラ映像を表示させた。

店内の防犯カメラを操作、店内を確認した。
店側の人間は、アルバイトらしき男性1人だけだった。
ビル内の防犯カメラを操作、ビル内を確認した。
各階のエレベーターホールに、不審な動きをする人物はいなかった。

ビルの外壁に設置された防犯カメラを操作、外を確認した。
向かいのビルにカメラを向けたとき、上条は手を止めた。
非常階段下の暗がりにスーツの上に黒のダウンを着た男がいた。
黒のスニーカーを履いている男は、この店を見ていた。

この男、新宿で待ち伏せしてた刑事じゃないか、尾行されてたのか。
いや、尾行していたら、ここに来るまでに捕まえられたはずだ。
待ち伏せしてたのか、なぜ、ここに来るとわかったんだ。
今どき、こんなアナログな刑事がいるとは思わなかった。

ビルに入るのを見られていたら、この店に踏み込んでくるな。
上条は、「オムニサイト」で、店内から非常階段へ出る非常ドアのロックを解錠した。
ロックを解錠すると、ビル内の火災報知器を作動させた。
火災発生を知らせる警報音が鳴り響く中、上条は席を立った。

ビルから出てきた人が通りにあふれる中、消防車が到着した。
消防士がビルに入って、火災報知器の誤作動であることを確認した。
公安の実働部隊がネットカフェに入ったのは、警報音が鳴り始めた20分後だった。
上条が使っていた個室には、口をつけていないコーヒーカップだけが残されていた。
※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年6月27日土曜日

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP61 ダークヒーロー降臨

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。『ギルド』の潜伏員(スリーパー)。

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EP61  ダークヒーロー降臨

11月5日、大場玲の要求動画が放送されてから、ネットには多くのスレッドが乱立した。
11月12日、上条雷人が容疑者として報道されると、さらに多くのスレッドが乱立した。
ネットには、上条雷人に関する多くの情報があふれる状態となった。
大場玲の新たな動画と最終通告が放送されると、ネットはその話題一色になった。

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【悲報】大場玲(上条雷人 )が日本をオーバーレイする件 Part88

213:名無しさん
東都テレビ見たか?
214:名無しさん
ギルドって何だよ。ゲームのやりすぎだろwwwww
215:名無しさん
日本が他国でスパイ活動させてるって普通にヤバくね?
216:名無しさん
他の国も焦ってたりしてw
217:名無しさん
警察が黙認してたってのがリアル。
218:名無しさん
逮捕して、ギルドってわかったら、釈放してんだろな草
219:名無しさん
あの動画ってフェイクじゃね?大井競馬場の近くに橋なんかあんのか?
220:名無しさん
かもめ橋から撮ったリアル動画@品川
221:名無しさん
犯罪国家って言われても言い返せないの草。
222:名無しさん
政府の老害、早く会見しろよ。
223:名無しさん
停電が復旧したら、解散総選挙だな。
224:名無しさん
上条が総理大臣でいいんじゃね、38歳だしwwwww
225:名無しさん
おいおい、テロリストだぞ。テロリストを総理大臣にしてどうする。
226:名無しさん
なる前に悪いことするか、なった後に悪いことするかの時期だけの問題かとw
227:名無しさん
上条のまとめサイト見たけど、スペック高いよな。
228:名無しさん
無職のひきこもりオタかと思ってたら違った…東中技大卒で外資系ITに勤めてた…。
229:名無しさん
学生時代の写真見たけど、顔面偏差値高すぎだろw
230:名無しさん
ファンサイトもできてるから、これで完全にダークヒーローだよな。
231:名無しさん
横浜のマンションが、ファンの聖地になったりしてw
232:名無しさん
目を覚ませ、おまいら。
233:名無しさん
テロリストがダークヒーローになれる国、それが日本w

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Torブラウザに接続、いくつものサーバーを経由して辿り着くダークウェブ。
匿名性の高いインターネット領域は、犯罪や不正取引の温床となっている。
個人情報、クレジットカード情報、違法薬物、ハッキングツールが販売されている。
ダークウェブの掲示板では、東京の停電を好機とする者たちの書き込みが進行していた。

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【停電万歳】金融機関襲撃スレ【城南エリア限定】

1: 名無しのハッカー
東京が真っ暗になる日、停電で警備会社のシステムは混線、警察の無線もパンク状態。防犯カメラも全滅。城南エリア(品川・大田区周辺)の地方銀行・信用金庫のATMバックヤードを狙う実動部隊を募集する。
【募集要項】
・募集人員:回収係 2名、見張り兼運転手 1名
・足(車かバイク、ナンバープレート偽装必須)を出せる奴は優遇
・破壊ツール(エンジンカッター、バール)持参できる奴も優遇
・報酬:回収した現金の40%をその場で山分け。残りは暗号資産で洗浄後に送金。
・テレグラムのシークレットチャット(ID:@dark_tokyo_shadow)で待つ。
・合言葉は「停電万歳」。急げ。

101: 名無しのハッカー
東都テレビの報道特番観たか。
102: 名無しのハッカー
>>101 午前0時に停電決定だな。
103: 名無しのハッカー
警察はマスコミからの問い合わせ対応でパンク状態かもな。
104: 名無しのハッカー
>>103 その分、都内の警備は手薄になるな。
105: 名無しのハッカー
上条に感謝しなきゃな。

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都内某所の暗闇に包まれた一室。
ノートパソコンのモニターだけが、男の顔を青白く照らしていた。
男が叩くキーボードの先にあるのは、暗号化された潜伏員(スリーパー)への通信ライン。画面に表示されているのは、業務連絡を装った冷徹な「報告書」だった。

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Subject:【進捗報告】プロジェクト・オセロ

上条に我々の存在を明かされたため、プロジェクト・オセロは中止する。
この連絡をもって、プロジェクトチームは解散する。
各自、証拠となるデータを、速やかに処分せよ。
現在の拠点から移動する必要がある者は、速やかに移動せよ。
この連絡を最後に、このアドレスは使えなくなる。
以上、各自の幸運を願っている。

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東京都千代田区の警視庁。
警視庁の大会議室の捜査本部は、一種のパニック状態となっていた。
パニック状態になった原因は、大場玲の新たな動画と最終通告の放送だった。
放送直後から、内外からの問い合わせ電話が殺到、その対応に追われていた。

サイバー犯罪対策課の岩田も、問い合わせ電話の対応に追われていた。
ようやく、1件の対応を終えた時、ポケットのスマホが震えた。
取り出して、確認すると、佐藤からの着信だった。
急いで会議室の外に出た岩田が通話ボタンをタップすると、佐藤が話し始めた。

「ネットカフェ『アットスペース』品川店の向かいのビルにいます。
今、上条が『アットスペース』に入店するのを確認しました。
私1人なので、川瀬さんたちに応援に行くよう、指示を出していただけますか。
ジャミング照射の総務省への申請は、公安の沢渡さんにお願いしていただけますか。」
【Tor(The Onion Router)】
通信経路を暗号化・多段中継して匿名性を確保する、フリーかつオープンソースの通信技術。IPアドレスなどの痕跡を隠してWeb閲覧や通信が可能になり、通常アクセスできない「.onion」サイト(ダークウェブ)の利用にも使用できる。通信は世界中のノード(サーバーなど)を経由するため、速度は遅くなる。
【ダークウェブ(Dark Web)】
Googleなどの通常検索エンジンでは見つからず、専用ブラウザ(Torなど)でのみアクセス可能な、匿名性の高いインターネット領域。通信の暗号化により、犯罪や不正取引の温床となっており、漏洩した個人情報、クレジットカード情報、違法薬物、ハッキングツールが販売されている。サイト閲覧だけでコンピュータウイルスに感染するリスクがある。
【テレグラム(Telegram)】
高い秘匿性とセキュリティを誇るロシア発祥のクラウド型インスタントメッセージアプリ。
【ジャミング(Jamming)】
レーダーや無線通信などの電波に対して、意図的に妨害電波を発信して通信を乱したり遮断したりする行為や技術。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年6月26日金曜日

【本日の取引】20260626~本日の取引はなし

自身は、レバレッジ型やインバース型ETFを手がけている。
これらは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品。
したがって、投資経験の浅い方や日中取引ができない方にはオススメしていない。
だが、誰かの参考になればと思い、取引内容を発信しているw

本日の取引は以下の通り。
前場------------------------------------------
・なし
後場------------------------------------------
・なしw

朝の気配から、相場はさえない値動きで推移する可能性が高いと思った。
することがないので、休むも相場にした。
終わってから確認すると、保有株は上がっていた。
インバース型ETFも上がったので、前日比はプラスだったw

下図の上は、2015年からの日経平均株価とTOPIXの推移。
下は、2015年からのTOPIXとユーロ円、ドル円の推移。
本日の日経平均株価の下げ幅は過去3番目の下げ幅だったが、気づいたことがある。
日経平均株価の値動きは、韓国総合株価指数の値動きと連動しているように思うw
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追記(今宵の酒の肴)
今宵の酒の肴は乾きものなので、画像はなし。
高齢ドライバーの「運転技能検査」を見直しの記事を読んだ。
75歳以上の免許更新で違反歴がある人は「運転技能検査」に合格する必要があるらしいい。
調べると、合格者の事故率が、無為反者より約2.8倍高かったので、内容を見直すらしいw

「運転技能検査」は、身体機能の低下が事故原因になることから、2022年に導入された。
検査内容は、指示された速度で走行できるかや、交差点での一時停止など。
個人的には、60歳以上の免許更新で違反歴がある人は、技能検査を必須にすべきだと思う。
認知機能や身体機能が低下していくのだから、60歳以上は毎年更新でもよいと思うw

会社員時代から、脂質異常症(高脂血症)の投薬治療をしてもらっている。
毎年、頭部のMRI検査をしてもらい、脳に異常がないか、確認してもらっている。
自身の周囲に、毎年、頭部のMRI検査をしている人はいない。
60歳以上の免許更新に、頭部のMRI検査を義務付けるのもいいかもしれないw

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP60 公的機関のダークサイド

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。『ギルド』の潜伏員(スリーパー)。

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EP60  公的機関のダークサイド

「ここまでで何か質問はあるかね。」、神崎が佐倉井にいう。
「いえ、ありません。」、佐倉井がいう。
「では、私の話をさせてもらってもいいかな。」、神崎が佐倉井にいう。
「はい、お願いします。」、佐倉井がいう。

「11月6日、警視庁の佐藤くんから連絡があった。
国が聞きたいことがあるので、官邸に来て欲しいとのことだった。
11月7日、佐藤くんと官邸に行くと、公邸地下の会議室へ案内された。
会議室に入ると、佐倉井くんと美矢部くんがいた。

美矢部くんから問題と解決策の説明があり、私は次のミッションを頼まれた。
YUKIに、海外のサーバーをスキャンさせ、機密データの保管場所を特定。
保管されている機密データを、AES-256で暗号化、消去すること。
この時点で、私には3つの疑問があった。

1つは、なぜ、佐藤くんが連絡してきたのか。
佐倉井くんか、美矢部くんが連絡する方が早いし、間違いがない。
わざわざ、佐藤くんを介した理由がわからなかった。
佐倉井くんや美矢部くんに考えがあるんだろうなと思い、その場では聞かなかった。

1つは、なぜ、高柳くんと私にミッションを依頼したのか。
美矢部くんは、問題は機密データが外部へ送信されてしまったことだといった。
データを無効化するため、動いた結果、有効に活用することはできなくなったといった。
無効化したのに、民間人の高柳くんや私に依頼する理由がわからなかった。

1つは、なぜ、高柳くんに、暗号化、消去させないのか。
保管場所を特定する高柳くんが暗号化、消去までした方が早いし、間違いがない。
YUKIに暗号化、消去させる理由がわからなかった。
このことも何か考えがあるんだろうなと思い、その場では聞かなかった。

なぜ、佐藤くんが連絡してきたのか。
なぜ、高柳くんと私にミッションを依頼したのか。
なぜ、高柳くんに、暗号化、消去させないのか。
この3つは、私にとっては大いなる疑問だった。

11月9日、私の自宅近くで鳩山くんが轢き逃げされ、カバンを奪われた。
11月10日、鳩山くんを見舞いに行っている間に、自宅のYUKIの端末を破壊された。
佐倉井くんが助けに来てくれ、この病院へ避難してきた。
病院で、避難してきた高柳くんと会って、初めて話をした。

高柳くんから、泊まっていたホテルで侵入者に監禁、尋問された話を聞いた。
侵入者は高柳くんが防衛省のサーバーに侵入したことを知っていたが、2つの疑問があった。
なぜ、ミッションが終わった高柳くんを監禁して尋問する必要があったのか。
なぜ、侵入者は高柳くんが防衛省のサーバーに侵入したことを知っていたのか。

部屋に戻った私は、YUKIに5つの疑問の解を出すよう指示をし、以下の解を得た。
1.佐倉井くんと美矢部くんは、私と連絡がとれることを知られたくない。
2.機密データの内容は無効化されていない。
3.高柳くんは機密データのコピーを持っている。

解を得た私は、高柳くんに機密データのコピーを持ってるかと聞いた。
高柳くんは素直に認めた上で、『ギルド』のデータがあることを教えてくれた。
高柳くんが持っていると、また監禁されたりするかもしれない。
そう思い、翌日、機密データのコピーをYUKIに転送、保存させたんだ。

佐倉井くんと美矢部くんは、私と連絡がとれることを知られたくない。
知られたくない理由はわからないが、君たちなりの考えがあってのことだろう。
なので、あえて問いただすことはしないし、教えてくれなくても構わない。
私の話は以上だが、何か質問はあるかね。」、神崎が佐倉井にいう。

「いえ、ありません、一言だけいいですか。」、佐倉井がいう。
「何だね。」、神崎がいう。
「これからもよろしくお願いします。」、佐倉井が椅子から立ち、一礼していう。
「私は教え子の顔と名前は忘れない、こちらこそよろしく。」、神崎が笑顔でいう。

「あのう…先生…私も教え子にしてもらっていいですか。」、高柳がいう。
「高柳くんは、とっくに私の教え子だよ。」、神崎がいう。
「よかった、これで顔と名前を覚えてもらえる。」
高柳がいうと、笑いが起こった。

ノートパソコンの画面がチャット画面になり、YUKIからのメッセージが表示された。
「21時18分から21時25分、品川駅高輪口周辺の防犯カメラ映像に上条確認。
品93系統の都営バスから下車、徒歩で北へ移動している。」
メッセージの下に、バスから降りている画像、歩いている2枚の画像が表示された。
【AES-256】
256ビットの鍵を使用する最高強度の共通鍵暗号方式。米国政府や世界中の金融機関が機密データ保護に採用する国際標準規格。スーパーコンピューターでも解読に数百兆年以上かかるとされる。総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)に対して実質的に免疫がある。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年6月25日木曜日

【本日の取引】20260625~本日の取引はなし

自身は、レバレッジ型やインバース型ETFを手がけている。
これらは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品。
したがって、投資経験の浅い方や日中取引ができない方にはオススメしていない。
だが、誰かの参考になればと思い、取引内容を発信しているw

本日の取引は以下の通り。
前場------------------------------------------
・なし
後場------------------------------------------
・なしw

朝の気配から、相場は高値圏で推移する可能性が高いと思った。
することがないので、休むも相場にした。
終わってから確認すると、保有株は上がっていた。
インバース型ETFは下がったが、前日比はプラスだったw

下図の上は、2015年からの日経平均株価とTOPIXの推移。
下は、2015年からのTOPIXとユーロ円、ドル円の推移。
その下は、2022年からの日経平均株価と投資主体別売買状況の推移。
海外投資家が大きく買い越したことが、上昇の主要因であることがわかるw
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追記(今宵の酒の肴)
今宵の酒の肴は乾きものなので、画像はなし。
4月から書いている小説「神崎教授とAIの事件ファイル」。
5月から、小説投稿サイトにも投稿している。
投稿している理由は、誰かの暇つぶしになればよいかなと思ったのが理由w

小説投稿サイトには、PV数などの集計機能がある。
投稿を始めてから、徐々にPV数が増えている。
今月になってから、一日当たりのPV数が過去最高を更新したりしている。
誰かの暇つぶしになっていることを嬉しく思うw

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP59 テロリストからの最終通告

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。『ギルド』の潜伏員(スリーパー)。

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EP59  テロリストからの最終通告

画面が、夜の運河に停泊しているプレジャーボートを撮影している動画になった。
キャビンには明かりが点いており、人影らしきものが動いているのも確認できた。
プレジャーボートの周囲には、拳銃を手にした8人のスーツ姿の男がいた。
ゆっくりと近づいた2人が、キャビンの入口から突入した。

残りの6人もプレジャーボートに駆け寄り、キャビンに向かって銃を構えた。
しばらくすると、中から頭の後ろに両手を回した2人の男が出てきた。
ボートから降ろされた2人は手錠をかけられ、上着をかけられた。
2人は、4人の男に取り囲まれながら、画面の外へと連れていかれた。

残った4人がキャビンに入ったところで、最初からの動画が再生された。
動画再生が繰り返される中、原稿を読んでいる司会者の声がした。
「先ほど、今、ご覧いただいている動画を添付したメールが局に届きました。
メールには、この動画についての説明があるので、読み上げます。」

司会者が読み上げたのは、以下の最終通告だった。
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OVERLAY

この動画は、本日19時過ぎに大井競馬場近くの京浜運河にかかる橋の上から撮影した。
警察が『ギルド』の潜伏員の身柄を確保する瞬間を撮影した動画。
『ギルド』は、各国の公的機関から、他国での諜報活動を請け負っている集団。
この潜伏員は、ある国の公的機関から日本での諜報活動を請け負って、活動していた。

『同業組合』を意味する『ギルド』の歴史は古く、中世の西欧で誕生した。
国家間の戦争や紛争、政変やクーデターには、『ギルド』が関与していると噂されている。
各国の公的機関は、他国での諜報活動を『ギルド』に依頼している。
日本も例外ではなく、他国での諜報活動を『ギルド』に依頼している。

日本の公的機関が『ギルド』を利用していることは、最高機密になっている。
そのため、国内で『ギルド』が諜報活動を行っていても、黙認している。
本日、警察が『ギルド』潜伏員の身柄を確保したが、どこも報道していない。
このことから、公的機関が国民に対し事実を隠していることは明らかである。

他国の同意なく、その領土内で諜報活動を行うことは、違法行為になる。
国際法における国家主権を侵害する行為であり、内政不干渉の義務にも違反している。
国連憲章が掲げる主権平等の原則に反する行為になる。
他国からしてみれば、日本は自国の領土内で違法行為を行っている犯罪国家になる。

日本が犯罪国家になったのは、日本社会の新陳代謝が停滞していることが原因。
先日、公的機関のトップを40歳以下にするよう要求したが、できていない。
午前0時に都内の電力供給設備を使用不能にする。
日本社会をオーバーレイ(上書き)するためにできることは何か、考えて欲しい。

大場玲
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「『ギルド』のこと、ぶっちゃけちゃいましたね。」、高柳がいう。
「国際問題になるだろうな。」、神崎がいう。
「お二人とも『ギルド』のことをご存じだったんですか。」
驚いた佐倉井が、神崎と高柳を交互に見ながらいう。

「高柳くん、外部との通信は切れているね。」、神崎がいう。
「大丈夫です、今は繋がっていません。」、高柳がいう。
「佐倉井くん、私と高柳くんは『ギルド』のことを知っていたよ。」、神崎がいう。
「いつから、ご存じだったんですか。」、佐倉井がいう。

「高柳くんが知ったのは11月8日、私が知ったのは11月10日。
安心したまえ、高柳くんと私以外は知らないはずだ。」、神崎がいう。
「先生、YUKIも知ってますよ。」、高柳がいう。
「そうだったな、なぜ知っているか、説明をお願いできるかな。」、神崎が高柳にいう。

「11月7日、公邸地下の会議室で、ミッションを頼まれました。
私のミッションは、防衛省のサーバーにあるログから、ウイルス感染日を確認。
サーバーのログから、機密データが送信されたサーバーを特定することでした。
11月8日、防衛省のサーバーに侵入、機密データが送信されたサーバーを特定しました。

私がハッカーになったきっかけは、警察から依頼された違法なハッキングです。
違法なハッキングを行ったことを理由に、その後も違法なハッキングをさせられました。
そのため、違法なハッキングを行う際は、保険となるデータを残すようにしています。
今回の保険は、送信された機密データのコピーでした。

送信されたサーバーを特定した後、保険となる機密データをコピーしました。
機密データを確認したところ、『ギルド』に関するデータがありました。
そこには、『ギルド』の概要、国別担当者と連絡先のリストがありました。
それを見た時に、消去したいのは、このデータなんだと思いました。」、高柳がいう。
※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年6月24日水曜日

【本日の取引】20260624~本日の取引はなし

自身は、レバレッジ型やインバース型ETFを手がけている。
これらは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品。
したがって、投資経験の浅い方や日中取引ができない方にはオススメしていない。
だが、誰かの参考になればと思い、取引内容を発信しているw

本日の取引は以下の通り。
前場------------------------------------------
・なし
後場------------------------------------------
・なしw

朝の気配から、相場は高値圏で推移する可能性が高いと思った。
することがないので、休むも相場にした。
終わってから確認すると、保有株は下がっていた。
インバース型ETFは上がったが、前日比はマイナスだったw

下図の上は、2015年からの日経平均株価とTOPIXの推移。
下は、2015年からのTOPIXとユーロ円、ドル円の推移。
その下は、2015年からの個人投資家の信用評価損益率と買い残と売り残金額の推移。
評価損益率が高い水準で推移しており、含み益の個人投資家が多いことがわかるw
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追記(今宵の酒の肴)
今宵の酒の肴は乾きものなので、画像はなし。
4月から書いている小説「神崎教授とAIの事件ファイル」。
5月から、小説投稿サイトにも投稿している。
投稿している理由は、誰かの暇つぶしになればよいかなと思ったのが理由w

先日、思ったことがある。
小説投稿サイトに投稿して、削除しなければ、誰でも読むことができる。
将来、子や孫が読むかもしれないと考えると、タイムカプセルみたいだなと思う。
自身にお迎えが来た後、子や孫に削除されない小説にしようと思ったw

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP58 AIのヒューマンライクシンキング

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。

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EP58  AIのヒューマンライクシンキング

東京都新宿区の東京中央技術大学病院。
データセンター棟の管理室には、神崎、佐倉井、高柳の3人がいた。
管理室では、8台のAIによるイージス・ウェブ・オペレーションが行われていた。
YUKIを始めとする8台のAIは、都内全域の防犯カメラ映像の解析を行っていた。

3人のノートパソコンのチャット画面にYUKIからのメッセージが表示された。
「19時21分、大井競馬場周辺の防犯カメラ映像に木下確認。
競馬場の東から、もう1人の男と手錠をかけられ、連行されている模様。
連行している4人の男は、新宿のマンションにいた公安であることを確認。」

メッセージの下に、夜の歩道を連行されている木下の画像が表示された。
手錠をかけられている両手には上着がかけられていた。
木下の後ろには同じように手錠をかけられ上着がかけられている別の男がいた。
2人の周りを公安の4人が取り囲むようにして連行していた。

「木下と一緒に連行されている男は誰でしょうか。」、高柳がいう。
「木下と同じ諜報機関の仲間かもしれません。
海に向かった木下はこの男と合流、一緒にいたところを逮捕されたんだと思います。
木下が逮捕されたので、あとは上条だけですね。」、佐倉井がいう。

「おかしい…整合がとれない…。」、神崎がいう。
「神崎先生、何か気になることでも。」、佐倉井がいう。
「私たちは、上条と木下をリアルタイムで監視している。リアルタイムで監視できるのはここだけだ。なぜ、公安は木下の居場所を特定できたんだ。」、神崎がいう。

「確かに、我々以外から情報提供があったとしか考えられませんね。
その場合、最も情報提供した可能性が高いのは、上条ですね。」、佐倉井がいう。
「上条は大久保交番に木下の情報があるサイトのメモを残し、木下が逮捕された。
上条は目的を達成、大井競馬場から離れたのかもしれない。」、神崎がいう。

「これだけ時間が経っても、上条が見つからない説明もつきます。」、佐倉井がいう。
「出てきた人の中に上条がいなかったか、YUKIへの指示を頼む。」、神崎が高柳にいう。
「了解です。」、高柳はキーボードを叩いて、YUKIに指示を伝えた。
30秒ほどで、チャット画面にYUKIからのメッセージが表示された。

「16時45分から16時59分、大井競馬場周辺の防犯カメラ映像に上条確認。
白髪のかつらを外し、変装するためのメイクも落としている。
入場時に着ていたベージュのジャンパーは黒のジャンパーに変わっている。
駐車場側の門を出て、歩道橋を渡って、向かいにあるウィラ大井に入っている。」
メッセージの下に、門から出てくる画像、ウィラ大井に入る画像が表示された。

画像の下に、YUKIからのメッセージが表示された。
「17時53分から18時11分、大井競馬場周辺の防犯カメラ映像に上条確認。
ウィラ大井から出てきて東の方向へ徒歩で向かっている。」
メッセージの下に、ウィラ大井に出てくる画像、東に歩いていく画像が表示された。

「競馬場に入って、すぐ出てきてたんですね。」、高柳がいう。
「出てきた後、向かいのウィラ大井に1時間ほどいたことになります。
ウィラ大井から競馬場を監視していたのかもしれません。」、佐倉井がいう。
「AIの解析に見落としがあったんでしょうか。」、高柳がいう。

「見落としじゃない、AIのウラをかいた、つまりAIを騙したんだ。
AIは過去のデータから学び、予測した上で解析する。
過去のデータから、変装する可能性があることは予測できた。
だが、競馬場に入場して、すぐ出てくることは予測できなかった。」、神崎がいう。

「人間の思考を学べば学ぶほど、AIの思考は人間の思考に近づきます。
人間が騙されることに、AIも騙されるようになります。」、佐倉井がいう。
「今回の件で、YUKIたちは上条の新たな行動パターンを学んだ。
二度と同じ騙され方はしないだろう。」、神崎がいう。

チャット画面にYUKIからのメッセージが表示された。
「フォローしていただき、ありがとうございます。
でも、あまり私たちのハードル上げないでね。」
「げっ、聞かれてた…。」、高柳がいうと、笑いが起こった。

チャット画面にYUKIからのメッセージが表示された。
「東都テレビの報道特別番組に、速報のテロップを確認。
報道特別番組に切り替えます。」
ノートパソコンの画面に、放送中の報道特別番組が表示された。

画面の上部には【速報:犯人からの新たな動画】のテロップがあった。
スタジオでは、姿勢を低くしたADが司会者に原稿を手渡していた。
原稿を読んだ司会者は顔を上げると、青ざめた顔で視聴者に向かっていった。
「さ、先ほど、要求動画の犯人から新たな動画が届いたようです。」
※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年6月23日火曜日

【本日の取引】20260623~本日の取引はなし

自身は、レバレッジ型やインバース型ETFを手がけている。
これらは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品。
したがって、投資経験の浅い方や日中取引ができない方にはオススメしていない。
だが、誰かの参考になればと思い、取引内容を発信しているw

本日の取引は以下の通り。
前場------------------------------------------
・なし
後場------------------------------------------
・なしw

朝の気配から、相場は高値圏で推移する可能性が高いと思った。
することがないので、休むも相場にした。
終わってから確認すると、保有株は下がっていた。
インバース型ETFは上がったが、前日比はマイナスだったw

下図の上は、2015年からの日経平均株価とTOPIXの推移。
下は、2015年からのTOPIXとユーロ円、ドル円の推移。
日本市場より急騰していた韓国市場が急落、サーキットブレーカーが発動された。
考えてみると、世界的な株高なので、下がるときは世界的な株安になると思ったw
※サーキットブレーカー:相場が基準以上に急変動した場合に、強制的に一定時間取引を停止する制度。
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追記(今宵の酒の肴)
今宵の酒の肴は乾きものなので、画像はなし。
4月から書いている小説「神崎教授とAIの事件ファイル」。
5月から、小説投稿サイトにも投稿している。
投稿している理由は、誰かの暇つぶしになればよいかなと思ったのが理由w

同サイトにはPV数などの集計機能がある。
ほぼ毎日、投稿しているためか、徐々にPV数が増えている。
同サイトには読んだ小説を評価したり、ブックマークできる機能がある。
ありがたいことに、評価してもらったり、ブックマークしてもらっているw

同サイトにはランキング機能がある。
評価内容やブックマークした人数がランキングポイントになる。
ありがたいことに、先日、初めてランクインすることができた。
物語は終盤に入ったが、手を抜くことなく、完結させたいと思っているw

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP57 ナイトトラップのファンファーレ

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。

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EP57  ナイトトラップのファンファーレ

東京都新宿区の東京中央技術大学病院。
データセンター棟の管理室には、神崎、佐倉井、高柳の3人がいた。
管理室では、8台のAIによるイージス・ウェブ・オペレーションが行われていた。
YUKIを始めとする8台のAIは、都内全域の防犯カメラ映像の解析を行っていた。

「競馬場の防犯カメラは多いんですが、なかなか見つかりませんね。」、高柳がいう。
「木下も海へ向かった後は、見つかっていません。
GPSが動いていないので、紙袋は海へ捨てた可能性があります。」、佐倉井がいう。
「2人とも防犯カメラの下見をしていたのかもしれないな。」、神崎がいう。

東京都品川区の大井競馬場。
「東京シティ競馬(TCK)」の愛称があり、世界で唯一の「両回り」のコースがある。
場内には、L-WING、G-FRONT、4号スタンドの3つのスタンドがある。
3月下旬から12月上旬には、ナイター競馬のトゥインクルレースが開催されている。

新宿から来た公安とサイバー犯罪対策課が到着したときには、すっかり日は落ちていた。
周辺が闇に包まれた中、スタンドの照明が駐車場からも確認できた。
坂下は白いワゴン車の運転席に座り、公安と打合せをしている川瀬を見ていた。
打合せが終わり、戻ってきた川瀬が助手席のドアを開いて、乗り込んできた。

「連絡するまで車で待機してろっていわれたよ。」、ドアを閉めながら川瀬がいう。
「ここでジャミングは照射できませんからね。」、坂下がいう。
「照射なんてしてみろ、いくら公安とはいえ、始末書どころの騒ぎじゃ済まないだろ。
万が一、必要になったときのために連れてきたんだろ。」、川瀬がいう。

「しかし、上条は何のために大井競馬場に来たんでしょうね。」、坂下がいう。
「人は多いが、その分、防犯カメラも多いからな。
まっ、公安が中に入って探せば、すぐに見つかるだろ。」、川瀬がいう。
2人が見ていると、公安の実働部隊が、二手に分かれて、競馬場に入っていった。

上条は、競馬場の向かいにある商業施設「ウィラ大井」の立体駐車場の3階にいた。
立体駐車場の3階からは、競馬場の駐車場全体を見下ろすことができた。
競馬場へ入った上条は、防犯カメラの死角を移動しながら、L-WINGに向かった。
L-WINGに着くと、防犯カメラの死角にあるトイレの個室に入った。

白髪のかつらを外し、50代のメイクを落とし、30代に戻った。
着ていたリバーシブルのベージュのジャンパーは、裏返して黒のジャンパーにした。
トイレを出ると、防犯カメラの死角を移動しながら、駐車場側の門から外に出た。
向かいにある「ウィラ大井」へ行き、立体駐車場から、競馬場の駐車場を見ていた。

上条が見ていると、男しか乗っていない6台の車両が間隔をおいて入ってきた。
6台の色や車種、駐車位置は異なっていたが、男しか乗っていないことに違和感があった。
6台の車両から降りてきたコートやジャンパー姿の男たちは集まって、話をしていた。
降りてきた男たちは9人だったが、1人は白いワゴン車に戻った。

残りの8人は、二手に分かれて、競馬場に入っていった。
場違いなコートやジャンパー姿の男たちは、警察に違いない、上条は確信した。
上条が競馬場へ来たのは、警察をおびき寄せるためだった。
競馬場のファンファーレが聞こえる中、上条は次の場所に向かった。

ファンファーレは、京浜運河に停泊しているプレジャーボートの木下にも聞こえた。
大井競馬場前でバスを降りた木下は運河へ向かい、用意していたボートに乗り込んだ。
ボートのキャビンで操舵担当の男と上条が来るのを待っていた。
上条が来たら出航、沖に停泊したボートから、ブラックアウトを実行してもらう。

実行されたら、上条から処分を頼まれた拳銃で、上条を始末する。
始末したら戻ってきて、拳銃を持たせた上条の遺体を放置する。
発見した警察は、追い詰められた上条が自ら命を絶ったと考えるだろう。
そろそろ来てもおかしくない、木下は備え付けられたテーブルの引き出しに拳銃を隠した。

品川警察署の通信指令室。
「はい、110番…、上条に似た男が?ボートに ?」
当初、通信員は機械みたいな話し方に、イタズラ電話を疑った。
だが、内容の信ぴょう性が高かったので、すぐに疑いをなくした。

必要な情報を聞き出した通信員は捜査員に伝え、警視庁の捜査本部にも伝えられた。
捜査本部は大井競馬場にいる公安の実働部隊に、現場に向かうよう指示した。
20分後には、公安の実働部隊は京浜運河のプレジャーボートに突入できる位置にいた。
5分後に突入したが、木下と名乗る男と操舵担当の男しかいなかった。

上条は京浜運河にかかる「かもめ橋」にいた。
橋の上から、ボイスチェンジャーアプリを使って、警察に通報した。
通報後、公安が突入、木下と操舵担当の男が連行されていく一部始終を撮影していた。
他の諜報機関関係者も見ていたかもしれないな、上条は次の場所に向かった。
【ジャミング(Jamming)】
レーダーや無線通信などの電波に対して、意図的に妨害電波を発信して通信を乱したり遮断したりする行為や技術。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年6月22日月曜日

【本日の取引】20260622~本日の取引はなし

自身は、レバレッジ型やインバース型ETFを手がけている。
これらは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品。
したがって、投資経験の浅い方や日中取引ができない方にはオススメしていない。
だが、誰かの参考になればと思い、取引内容を発信しているw

本日の取引は以下の通り。
前場------------------------------------------
・なし
後場------------------------------------------
・なしw

朝の気配から、相場は高値圏で推移する可能性が高いと思った。
することがないので、休むも相場にした。
終わってから確認すると、保有株は上がっていた。
インバース型ETFは下がったが、前日比はプラスだったw

下図の上は、2015年からの日経平均株価とTOPIXの推移。
下は、2015年からのTOPIXとユーロ円、ドル円の推移。
日経平均株価は8連騰で、過去最高値を更新した。
ところが、自身の監視銘柄のいくつかは年初来安値を更新したw
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追記(今宵の酒の肴)
今宵の酒の肴は乾きものなので、画像はなし。
今の首相になってから、ドル円が上がり、円安になっている。
先日、為替介入を行ったが、介入時よりも円安になっている。
結局、為替介入では円安を止められなかったことになるw

今の首相は円安を容認しており、円安にする政策を行っている。
赤字国債を発行して、積極財政を行なえば、国際的な円の価値は低下する。
円の価値が低下すれば、輸入品の価格が上がる。
輸入品の価格が上がれば、それに伴い、物価も上がるw

財務大臣は、円安は投機的な動きによるものと説明している。
為替取引は投資ではなく、投機であることがわかっていない。
ある調査によると、今の内閣の支持率が50%以上あるのは、60代だけらしい。
60代で経済の知識がある人は少ないのかもしれないw

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP56 想定外のインシデント

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。

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EP56  想定外のインシデント

東京都千代田区の警視庁。
警視庁の大会議室の捜査本部では、多くの捜査員たちが捜査に取り組んでいた。
怒鳴るように電話で話している者や、立って喧嘩口調で話している者たちがいた。
静かとはいえない中、佐藤はノートパソコンに向き合っていた。

公開捜査になったが、上条に関する新しい情報は入っていなかった。
防犯カメラに映らない見えないルートを使って逃走しているのか。
そのとき、神崎がよくいってた言葉が頭に浮かんだ。
「自分が相手だったらと考えれば、必要なものが見えてくる。」

今日、あったことで、見えていないことがあるのでは…。
佐藤はキーボードを叩く手を止め、今日の出来事を振り返った。
ジャミングの照射を始めると、マンションから女装した上条が出てきた。
なぜ、照射すると出てきた、なぜ、女装していた…。

上条は、華喜多美代子の部屋ではなく、違法民泊に宿泊していた。
そのことは華喜多美代子に教えていなかった。
捜査が落ち着くまで、部屋で居留守を使うこともできた。
なぜ、あのタイミングで出てきた、出なくてはならない理由があったのか。

上条が女装に使った品は、木下がネットで購入、渡していた可能性が高い。
木下が購入したのは、1か月以上前なので、早くに上条に渡していた可能性がある。
上条は見えないルートを知っているので、女装しなくても逃走できる。
なぜ、女装したんだ、女装しなくてはならない理由があったのか。

そうか、ジャミングの照射を始めたから出てきたんじゃない。
元から、あの時間に女装して出てくる予定だったのか。
たまたま、出てくる時間がジャミングの照射開始時間になったんだ。
上条にとっては、想定外のインシデントだったのか、佐藤は思った。

見えないルートを先回りして、上条が来るのを待っていた。
姿を現してから、上条に向かって歩いたが、上条はこちらに歩いてきた。
近づいてから立ち止まったが、近づくまで警察だと気づいていなかったんだ。
先回りされてたことは、想定外のインシデントだったんだ。

山本を感電させたのも、あらかじめ、想定していたことじゃない。
想定外のインシデントに、場当たり的に反応しただけなんだ。
山本がポケットに手を入れなければ、逮捕できていたかもしれない。
あのとき、上条は危機的状況にあったんだ、佐藤は思った。

上条は、あの時間に女装して、どこへ向かおうとしていた。
向かった先で何をしようとしている…。
都内を停電させるため、あらかじめ決めていた場所に向かったのか…。
いや、当日になって、移動するのはリスクが高い。

もし、自分が上条なら、遅くとも前の日には移動している。
つまり、当日に移動しなくてはならない理由があったことになる。
どこへ移動したのか、また、そこで何をしようとしているのか。
都内を停電させる以外に、しなくてはならないことは何だ、佐藤は思った。

そのとき、立ってスマホで話している岩田の声が聞こえてきた。
「おう、そうか、ご苦労だったな。で、いつ戻ってくるんだ。」
「何…そうか…仕方ないな…終わったら連絡をくれ。」
佐藤は席を立つと、通話を終えた岩田に近寄った。

「誰からの電話ですか。」、佐藤がいう。
「ああ、川瀬からだ、マンションの捜査が終わったらしい。」、岩田がいう。
「じゃあ、戻ってくるんですか。」、佐藤がいう。
「それが、公安から品川へついてくるようにいわれたらしい。」、岩田が小声でいう。

「品川ですか。」、佐藤も小声でいう。
「ここには来ていない情報があるみたいだ。」、岩田がいう。
「私も品川に行っていいですか。確かめたいことがあります。」、佐藤がいう。
「他の奴らに気づかれないようにしろよ。」、岩田がいう。

「わかりました。」、佐藤はいうと席へ戻った。
ノートパソコンの電源を落とすと、静かに席を立ち、会議室を出た。
会議室を出た佐藤は、非常階段へ行くと、川瀬に電話し、行き先を聞いた。
行き先が大井競馬場であることを聞き、通話を終えた佐藤は思った。

上条が大井競馬場にいるのは、予定していた行動だ。
大井競馬場で予定を終えた後、どこへ行くつもりなのか…。
「自分が相手だったらと考えれば、必要なものが見えてくる。」
神崎の言葉を思い出した佐藤は、エレベーターへ向かった。
【ジャミング(Jamming)】
レーダーや無線通信などの電波に対して、意図的に妨害電波を発信して通信を乱したり遮断したりする行為や技術。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年6月21日日曜日

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP55 黄昏のトゥインクルチェイス

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。

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EP55  黄昏のトゥインクルチェイス

東京都新宿区の東京中央技術大学病院。
データセンター棟の管理室には、神崎、佐倉井、高柳の3人がいた。
管理室では、8台のAIによるイージス・ウェブ・オペレーションが行われていた。
YUKIを始めとする8台のAIは、都内全域の防犯カメラ映像の解析を行っていた。

3人のノートパソコンのチャット画面にYUKIからのメッセージが表示された。
「13時42分から14時13分、新宿駅西口周辺の防犯カメラ映像に上条確認。
品97系統、新宿駅西口14:10発の都営バスに乗車している。
白髪でマスクをしており、新宿遊歩道公園、大久保交番周辺の防犯カメラ映像と一致。」
メッセージの下に、新宿駅西口周辺を歩いている画像、バス停で列に並んでいる画像、バスに乗り込んでいる3枚の画像が表示された。

画像の下に、YUKIからのメッセージが表示された。
「14時17分から14時18分、新宿二丁目周辺の防犯カメラ映像に車内にいる上条確認。
14時20分から14時22分、四谷四丁目周辺の防犯カメラ映像に車内にいる上条確認。
14時33分から14時31分、青山一丁目周辺の防犯カメラ映像に車内にいる上条確認。
14時44分から14時46分、広尾駅周辺の防犯カメラ映像に車内にいる上条確認。
14時50分から14時51分、古川橋周辺の防犯カメラ映像に車内にいる上条確認。
14時55分から14時56分、高輪一丁目周辺の防犯カメラ映像に車内にいる上条確認。
14時59分から15時04分、高輪警察署周辺の防犯カメラ映像に車内にいる上条確認。
車内では運転席後方の1人用座席に座っている。」
メッセージの下に、上条が車内にいる7枚の画像が表示された。

画像の下に、YUKIからのメッセージが表示された。
「15時10分から15時32分、品川駅高輪口周辺の防犯カメラ映像に上条確認。
品川駅高輪口で下車、品93系統、15:30発の都営バスに乗車している。」
メッセージの下に、バスから降りている画像、バス停で列に並んでいる画像、バスに乗り込んでいる3枚の画像が表示された。

画像の下に、YUKIからのメッセージが表示された。
「15時36分から15時37分、天王洲橋周辺の防犯カメラ映像に車内にいる上条確認。
15時36分から15時37分、品川警察署周辺の防犯カメラ映像に車内にいる上条確認。
15時45分から15時46分、勝島一丁目周辺の防犯カメラ映像に車内にいる上条確認。
15時46分から15時47分、新浜川橋周辺の防犯カメラ映像に車内にいる上条確認。
車内の後方で、吊革を持ち、立っている。」
メッセージの下に、上条が車内にいる4枚の画像が表示された。

画像の下に、YUKIからのメッセージが表示された。
「15時50分から16時18分、大井競馬場周辺の防犯カメラ映像に上条確認。
大井競馬場前で下車した後、大井競馬場へ入場している。」
メッセージの下に、バスから降りている画像、大井競馬場に歩いている画像、入場している3枚の画像が表示された。

「品川駅から大井競馬場までのバス移動は、木下と同じですね。
木下は大井競馬場には入場せずに、徒歩で東の海へ向かっています。」、佐倉井がいう。
「競馬場は何時までやっているんだね。」、神崎がいう。
「今日はナイター営業のトゥインクルレースがあるので21時までです。」、高柳がいう。

「ここまでの2人の動きを整理しよう。
新宿遊歩道公園で上条は木下に紙袋を渡した。
別れた後、木下は徒歩で新宿駅に向かった。
新宿駅のコインロッカーに預けていたビジネスバッグに紙袋を入れた。
そのまま、電車に乗って、品川駅に移動、品川駅から大井競馬場へバスで移動した。
バスを降りてから、海がある東に徒歩で向かった。

別れた後、上条は大久保交番に立ち寄り、メモとサングラスを置いた。
新宿駅から品川駅までバスで移動、品川駅から大井競馬場へバスで移動した。
バスを降りてから、大井競馬場に入場した。
このことから考えられることは何がある。」、神崎が佐倉井と高柳に聞く。

「上条が奪った拳銃は、木下のバッグにある可能性が高いですね。
もしかすると、海に捨てるつもりかもしれません。」、佐倉井がいう。
「上条が木下に仕込んでいるGPSですが、何に仕込んでいるのかわかりません。
海の位置から動かなければ、渡した紙袋に仕込んでいたことになります。」、高柳がいう。

「もし、木下が捨てる目的で向かっているなら、捨てた後、戻ってくる。
戻ってきた後、どこへ向かうのか、上条は知っている。
知っているから、大井競馬場に入場したんじゃないかな。」、神崎がいう。
「確かに、そう考えると、2人の行動に整合性がとれますね。」、佐倉井がいう。

「高柳くん、競馬場の防犯カメラ映像は解析対象に入ってるかね。」、神崎がいう。
「東京都競馬株式会社が運営しているので、解析対象に入ってないです。」、高柳がいう。
「解析対象に追加してくれるかな。」、神崎がいう。
「了解です。」、高柳は白い馬のショートカットアイコンをクリックした。

画面全体が白くなり、上部には青字で「Welcome to Pegasus」とあった。
中央には、擬人化された青い目をした白い天馬が二本足で立って腕組みしていた。
高柳は天馬の下にある「Start」ボタンをクリックした。
数分後、画面の上半分が世界地図に、下半分がIPアドレスなどの入力画面になった。

世界地図の日本、東京、品川区を拡大、大井競馬場をクリックした。
下の「目的地」に、大井競馬場のサーバーのIPアドレスが反映された。
「経由地」には、東欧、中東、南米にあるサーバーのIPアドレスを反映させた。
行け、ペガサス、高柳は一番下にある「Start」ボタンをクリックした。

数分後、サーバーに接続すると、「Scan」ボタンをクリックした。
数分後、モニターにスキャン結果の一覧が表示された。
トラップがなかったので、「OK」ボタンをクリックすると、選択画面が表示された。
選択画面で「Data transfer」を選択すると、「Start」ボタンをクリックした。
【GPS(Global Positioning System)】
アメリカ合衆国によって運用される全地球測位衛星システム。アメリカ合衆国が打ち上げた約30個のGPS衛星のうち、上空にある数個の衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、受信者が現在位置を知ることができる。民生用GPS受信機は、航空機、船舶、測量機器、自動車、携帯電話などに搭載されている。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年6月20日土曜日

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP54 日本社会のオーバーレイ

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。

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EP54  日本社会のオーバーレイ

東京都品川区。
上条は、新宿駅西口14:10発の都営バス(品97)に乗車していた。
品97は、新宿駅西口から品川駅高輪口まで、約1時間かけて南下する。
新宿の大通りから高級住宅地を通り、品川駅に向かう路線バス。

上条は新宿駅西口から乗車、運転席の後方の1人用座席に座っていた。
平日の午後だが、車内は適度に混んでおり、座席は常に埋まっている。
乗客は、病院帰りらしい高齢者、地元の主婦、移動中の会社員。
バス停に停まるたびに、数人が降り、数人が乗ってくる。

上条が移動にバスを使っているのは、職質のリスクを少なくするためだった。
地下鉄を使った場合、駅構内の防犯カメラ映像はリアルタイムで監視されている。
1人で歩いていたりすると、巡回中の警察官から、職質される可能性が高い。
50代に変装しているとはいえ、できるかぎりリスクは少なくしたかった。

路線バスの場合、車内の防犯カメラ映像はリアルタイムで監視されない。
検問の際も、運行スケジュールを妨げないよう、長時間停められることは少ない。
白髪のかつらをかぶっているので、一目見ただけで、違う人物だと判断するだろう。
地下鉄より移動時間はかかるが、最も安全な移動方法だと考えていた。

新宿からここまで、街頭に立っている警察官は多かった。
幹線道路を走行しているときは、パトカーが並走したりした。
自分たちのすぐ近くをバスで移動しているとは思わなかっただろう。
バスが高輪警察署に近づくと、検問をしているのが見えた。

高輪警察署の手前で、バスが停まった。
前方の交差点は封鎖されて、検問が行われている。
乗用車から降りた運転手が、トランクを開けさせられていた。
黄色いベストを着た警察官が近づいてきて、運転手が乗車口を開いた。

乗車口から顔だけ出した警察官が、車内を見渡した。
いないと判断したのか、運転手に片手を上げて、通行を許可した。
乗車口を閉じたバスは、再び、走り始めた。
停められている車の横を、バスは品川駅へ向かった。

通路を挟んだ向かいの座席には、小さな男の子と母親が座っていた。
窓側の席に座った男の子は、パトカーに興味があるのか、外を見ていた。
自分もあれくらいの年のときは、パトカーに興味があった。
大きくなったら、警察官になりたいと思ったこともあったな、上条は思った。

成長して、社会のことがわかってくると、考えが変わった。
日本は法治国家だが、法律は万能ではなく、法律で解決できない問題が多くある。
少子高齢化、人口減少、停滞する経済、子どもの貧困、経済格差…。
これらを解決するためには、日本社会のオーバーレイが必要だった。

大学時代、日本社会をオーバーレイする計画を卒業論文としてまとめた。
神崎教授からはダメ出しされたが、具体的な指摘はされなかった。
当時は、環境が整備されておらず、実行に移せなかった。
実行するためには、環境が整備されるまで待つ必要があった。

大学を卒業してから、インターネットは急速に普及した。
今や、生活にとって欠かせないインフラとなっている。
インターネットを使えば、あらゆる情報を共有化することができる。
情報を共有化することができれば、日本社会をオーバーレイできる。

環境が整備されるまで待つ間、多くの仲間を作ることができた。
仲間とは、インターネットの掲示板を通じて知り合った。
複数のアカウントで知り合った仲間たちは多い。
彼らがいれば、日本社会をオーバーレイできる。

日本社会をオーバーレイするために、問題があった。
問題は、日本国内にいる他国の諜報機関についての対策。
オーバーレイするためには、他国の諜報機関を排除する必要があった。
そのため、ダークウェブにユーザー投稿型の「ダークマップ」を作った。

「ダークマップ」に投稿された情報から、他国の諜報機関の関係者を洗い出した。
洗い出した諜報機関の関係者は13人。
13人の中の1人、木下剣次は仲間のフリをして近づいてきた。
奴から渡された女装用のパンプスには、GPSが仕込まれていた。

仕込まれていたGPSは、気づかなかったフリをして、そのまま返した。
だが、処分を頼んだスタンガンにGPSを仕込んでおいた。
現在、判明している諜報機関の関係者は、品川で警察に排除させる。
品川の街並みを見ながら、上条は口元にかすかな笑みを浮かべた。
【GPS(Global Positioning System)】
アメリカ合衆国によって運用される全地球測位衛星システム。アメリカ合衆国が打ち上げた約30個のGPS衛星のうち、上空にある数個の衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、受信者が現在位置を知ることができる。民生用GPS受信機は、航空機、船舶、測量機器、自動車、携帯電話などに搭載されている。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。

2026年6月19日金曜日

【本日の取引】20260619~本日の取引はなし

自身は、レバレッジ型やインバース型ETFを手がけている。
これらは、主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品。
したがって、投資経験の浅い方や日中取引ができない方にはオススメしていない。
だが、誰かの参考になればと思い、取引内容を発信しているw

本日の取引は以下の通り。
前場------------------------------------------
・なし
後場------------------------------------------
・なしw

朝の気配から、相場は高値圏で推移する可能性が高いと思った。
することがないので、休むも相場にした。
終わってから確認すると、保有株は下がっていた。
インバース型ETFも下がったので、前日比はマイナスだったw

下図の上は、2015年からの日経平均株価とTOPIXの推移。
下は、2015年からのTOPIXとユーロ円、ドル円の推移。
先日、相続した含み損だった銘柄が含み益になったので全数売り抜けた。
本日の取引終値を確認すると、売値より4割以上も下がっていたw
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追記(今宵の酒の肴)
今宵の酒の肴は乾きものなので、画像はなし。
会社員を卒業してから働いていないので、住民税非課税世帯になっている。
先日、今年の国民健康保険料が届いたが、今年も年間3万円未満だった。
自身の場合、働くよりも働かないメリットの方が多いように思うw

4月から書いている小説「神崎教授とAIの事件ファイル」。
5月から、小説投稿サイトにも投稿している。
本日も投稿しようとログインしたら、通知があった。
確認すると、同作品がランキングにランクインしたとのことw

推理小説の日別ランキングで、11位に入っていた。
ランクインしたのは、読んでくれた人の評価がよかったためらしい。
よい評価をしてくれた人には、素直に感謝したい。
小説投稿サイトへの投稿は初めてだが、意外と楽しいかもしれないw

【小説】神崎教授とAIの事件ファイル:EP53 テロリストが仕掛けた罠

【AI(人工知能)による作品紹介】
人間とAIのバディに解けない謎はない。日本を襲うハッキングテロ。崩壊する医療、迫る停電のタイムリミット。未曾有の国家危機に立ち向かうのは、神崎教授と亡き妻の思考を学習したAIだった。緻密な伏線とハイスピードな展開で魅せる、新時代のサイバーミステリー!
【登場人物】
・神崎零壱(かんざきれいいち)
元東京中央技術大学 情報工学科の教授。日本の情報工学の第一人者で、インターネットの普及に貢献した。2020年に定年退職、現在は年金生活。子どもは独立、妻に先立たれてからは、東京都北区にある築40年以上の二階建て住宅で、妻の思考を学習させたAI(人工知能)と暮らしている。NCOによるコード名はM2。
・神崎悠季(かんざきゆき)
神崎零壱の妻で結婚してからは専業主婦だった。2015年にアルツハイマーを発症。東京中央技術大学病院のアルツハイマー新薬研究プロジェクトの治験に参加するが、治験途中に亡くなる。看護師が気づけなかった投薬装置の故障による過剰投薬が原因と推測されたが、因果関係は不明。
・AI(YUKI)
神崎零壱が神崎悠季の思考を学習させたAI。神崎零壱のことを誰よりも把握している。自宅にかかってきた電話に音声で対応、電話をかけることもできる。受信したメールに対する返信を作成して送信できるなどの機能も搭載している。
・御堂健伍(みどうけんご)
東京中央技術大学病院の病院長。元アルツハイマー新薬研究プロジェクトの責任者。神崎零壱に神崎悠季の治験への参加を勧めたことに責任を感じている。
・佐藤波流(さとうはる)
東京中央技術大学 情報工学科 2020年卒の神崎教授の教え子。警視庁 サイバー犯罪対策課。NCOによるコード名はK2。
・上条雷人(かみじょうらいと)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。元米国IT企業「ダーウィンスペース」日本法人の社員。「ダークマップ」管理人。サイバーテロを計画し実行する。
・華喜多美代子(はなきたみよこ)
元東京中央技術大学病院の看護師。神崎悠季を故意に死亡させたと、世間からバッシングされ、退職を余儀なくされる。上条雷人とは異父兄妹。
・雅(みやび)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。国家サイバー統括室(NCO)。本名は美矢部(みやべ)。
・佐倉井(さくらい)
東京中央技術大学 情報工学科 2010年卒の神崎教授の教え子。防衛省 情報本部 特殊情報分析室。NCOによるコード名はJ1。
・高柳(たかやなぎ)
副業でハッキングをしている会社員。NCOによるコード名はM1。
・鳩山(はとやま)
東京都の総務局 文書管理課の職員。NCOによるコード名はT1。
・沢渡(さわたり)
警察庁の警備局 公安警察。
・岩田(いわた)、川瀬(かわせ)、坂下(さかした)、山本(やまもと)
警視庁 サイバー犯罪対策課。
・木下剣次(きのしたけんじ)
ペガサス電子の社員。

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EP53  テロリストが仕掛けた罠

「神崎先生がよくご存じの方なんですか。」、佐倉井がいう。
「前に職場のことで相談されたことがある。
上条と繋がりがあるようなタイプじゃないんだがな。」、神崎がいう。
「上条が紙袋を渡すくらいですから、上条との距離は近いんでしょうね。」、佐倉井がいう。

「ペガサス電子は電子部品を扱っていて、取引先も多いと聞きます。
もしかすると、ダーウィンスペース時代からの知り合いかもしれませんね。」、高柳がいう。
「ペガサス電子の取引先の中には、公的機関もあります。
彼が公的機関のシステムに、オムニサイトを仕込んだ可能性もあります。」、佐倉井がいう。

そのとき、神崎のチャット画面にYUKIからのメッセージが表示された。
「12時46分から13時52分、大久保交番周辺の防犯カメラ映像に上条確認。
13時06分から13時13分、大久保交番内の防犯カメラ映像に上条確認。
いずれも白髪でマスクをしており、新宿遊歩道公園の防犯カメラ映像と一致。

大久保交番に入ると、数字が印刷されたメモを置いている。
メモを置いた後、女装時に着用していたサングラスを置いている。
交番を出たあとは、新宿駅方面へ徒歩で向かっている。」
メッセージの下に、大久保交番周辺を歩いている5枚の画像が表示された。

続けて、交番に入ってくる画像、メモを置いた画像、メモの上にサングラスを置いた画像、交番から出ていく後ろ姿の画像が表示された。
神崎がマウスを使って、メモを置いた画像を拡大した。
拡大したメモには、12個の数字が印刷されていた。

「サングラスは、上条が置いたメモだとわからせるために置いたんでしょう。
メモの数字は12桁なので、電話番号ではないようです。」、佐倉井がいう。
「3桁ごとに区切ると255以下の数字になるので、IPアドレスだと思います。」
高柳がいい、ノートパソコンにIPアドレスとして入力したが、表示されなかった。

「通常のブラウザではアクセスできないので、ダークウェブのサイトだと思います。
Torでアクセスしてみます。」、高柳が、白い馬のショートカットアイコンをクリックした。
画面全体が白くなり、上部には青字で「Welcome to Pegasus」とあった。
中央には、擬人化された青い目をした白い天馬が二本足で立って腕組みしていた。

高柳は天馬の下にある「Start」ボタンをクリックした。
数分後、画面の上半分が世界地図に、下半分がIPアドレスなどの入力画面になった。
下の「目的地」に、メモのIPアドレスを直接入力した。
「経由地」には、東欧、中東、南米にあるサーバーのIPアドレスを反映させた。

行け、ペガサス、高柳は一番下にある「Start」ボタンをクリックした。
数分後、サーバーに接続すると、「Scan」ボタンをクリックした。
数分後、モニターにスキャン結果の一覧が表示された。
トラップがなかったので、「OK」ボタンをクリックすると、サイトが表示された。

表示されたのは、日本国内にいる他国の諜報機関関係者のリストだった。
左の列には、顔の画像が並んでおり、画像の右に氏名や住所などの説明があった。
神崎と佐倉井は、思いもしなかった内容に言葉を失った。
「リストに記載されているのは13人です。」、スクロールしながら高柳がいう。

「この人はさっきの画像にいた人ですね、木下剣次、勤務先はペガサス電子。
上条の協力者で、他国の諜報機関の関係者でもあったんですね。」
高柳が、木下の画像でスクロールを止めていう。
「上条は、なぜ、このリストのIPアドレスを置いて行ったんだ。」、神崎がいう。

「おそらくですが、このリストの者たちは、上条に協力している。
ですが、協力しているのは、日本社会をオーバーレイするためではなかった。
諜報機関の指示に従って、協力しているんだと思います。
そのことに気づいた上条が、情報提供してくれた可能性があります。」、佐倉井がいう。

「木下剣次の説明に、GPS追跡サイトのアドレスが書いてあります。
下には、ログインIDとパスワードもあります、入ってみますね。」
高柳がいい、サイトにアクセス、ログインIDとパスワードを入力、ENTERキーを叩いた。
叩くと、都内の地図が表示され、品川区に赤い光点があった。

「どうやら、木下剣次には、GPSを仕掛けているみたいですね。」、高柳がいう。
「YUKIにその情報を伝えて、近くの防犯カメラ映像を確認させてくれ。」、神崎がいう。
「了解です。」、高柳がキーボードを叩いて、YUKIに情報と指示を伝えた。
伝えると、品川駅前の交差点でビジネスカバンを手にした木下の映像が表示された。

「諜報機関の関係者を捕まえさせるために、GPSを仕掛けたのかもしれません。
上条も品川に向かっている可能性があります。」、佐倉井がいう。
「捜査関係者にこの情報を伝えます、引き続きオペレーションをお願いします。」
モニターのカメラを通して、やりとりを見ていた美矢部がいう。
【IPアドレス(IP address)】
IPネットワーク上の情報機器を識別するために指定するネットワーク層における識別用の番号。MACアドレスを物理アドレスということに対応して、論理アドレスとも呼ばれる。通常は、 0~255 の4組の数字をドットで繋いで表記される。
【ダークウェブ(Dark Web)】
Googleなどの通常検索エンジンでは見つからず、専用ブラウザ(Torなど)でのみアクセス可能な、匿名性の高いインターネット領域。通信の暗号化により、犯罪や不正取引の温床となっており、漏洩した個人情報、クレジットカード情報、違法薬物、ハッキングツールが販売されている。サイト閲覧だけでコンピュータウイルスに感染するリスクがある。
【Tor(The Onion Router)】
通信経路を暗号化・多段中継して匿名性を確保する、フリーかつオープンソースの通信技術。IPアドレスなどの痕跡を隠してWeb閲覧や通信が可能になり、通常アクセスできない「.onion」サイト(ダークウェブ)の利用にも使用できる。通信は世界中のノードを経由するため、速度は遅くなる。
【GPS(Global Positioning System)】
アメリカ合衆国によって運用される全地球測位衛星システム。アメリカ合衆国が打ち上げた約30個のGPS衛星のうち、上空にある数個の衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、受信者が現在位置を知ることができる。民生用GPS受信機は、航空機、船舶、測量機器、自動車、携帯電話などに搭載されている。

※本作に登場する手法は防犯上の観点から一部改変しています。