「銘柄を明かさない理由R」は、自身が初めて書いた小説だ。
小説を書くまでは、小説家はどのようにアイデアを得るのだろうかと思っていた。
だが、実際に書き始めると、次から次へとアイデアが生まれてくる。
まさしく、登場人物たちが勝手に動き出すという感じだw
今回、登場する2人の内、1人は伝説の相場師である無敗のキング。
あと1人は、二代目淀屋本家である難波の女帝である。
ある日、難波の女帝が自身にいった(ような気がする)。
「若いときから、無敗のキングとは知り合いやったんやで」とw
「銘柄を明かさない理由R」は、将来、自費出版する予定だ。
アイデアが次から次へと生まれるため、どれだけのボリュームになるかわからない。
自身にとって、喜ぶべきことなのか、悲しむべきことなのか。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw
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第198話 無敗のキングと難波の女帝(前編)
ある日、都内の高級ホテルで、ある懇親会が開かれた。
日本経済について考える懇親会には、経済界から多数の関係者が出席していた。
来賓の挨拶が終わり、懇談の時間になった。
それぞれが目的とする相手に近づき、懇談を始めた。
会場には、ある証券会社の会長である無敗のキングがいた。
無敗のキングは、証券業界では伝説の相場師として知られていた。
今の日本経済を担うお偉方がどのような会話をするのか。
今後の参考にさせてもらうとするか、無敗のキングはグラスを手にした。
「あら、ひさしぶりやんか」、背後から声をかけられた。
振り返ると、和服姿の難波の女帝がグラスを手に立っていた。
「これはこれは難波の女帝どの、ひさしぶりですな」
無敗のキングはいうと、難波の女帝とグラスを合わせた。
「思えば、アンタとは長い付き合いやね」、難波の女帝がいう。
「私が最後の相場師の弟子となった数年後、貴女は最後の相場師の秘書になった。
最初に会ったときのことは、今でも鮮明に覚えていますよ」、無敗のキングがいう。
「そやったんか、ウチに一目惚れしとったんやな」、難波の女帝が笑いながらいう。
無敗のキングは、初めて難波の女帝と会ったときのことを思い返した。
貧しい農家出身の無敗のキングは最後の相場師に土下座し、弟子にしてもらった。
弟子になってからは、最後の相場師の家に住み込み、相場について学んでいた。
そんなある日のこと、最後の相場師の秘書になりたいという女がやって来た。
黒のワンピースで黒縁メガネをかけた黒髪の女は、地味な女だった。
最後の相場師は、女にいくつかの質問をしたが、女の答えはありきたりの答えだった。
だが、最後の相場師の横にいた無敗のキングは、その瞬間を見逃さなかった。
最後の相場師が女に採用を告げたとき、女の口元がわずかだが緩んだのを。
そこまで思い返して、我に返った無敗のキングが笑いながらいう。
「滅相もない、当時の私にとって貴女は手の届かない存在でしたよ」
「ホンマはそんなこと思てへんくせに、よういうな。
ところでアンタに聞きたいことがあるんや」、難波の女帝がいう。
「どのようなことでしょう」、無敗のキングがいう。
「ワールド株式投資セミナーっていう、素人をカモにするセミナーがあるそうや。
そのセミナーの主催者は、ベイビーとかいう外国人らしいわ。
ベイビーについて知ってることあったら教えてんか」、難波の女帝がいう。
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