2024年10月4日金曜日

【建築コソコソ噂話】地形を変えると起きる事故の話

下図の左にあるように、本州を赤線で切った断面が、右の図になる。
はるか昔は、山だけだったが、風雨によって山が削られた。
削られた土砂が流れてきて、現在の地形ができていることになる。
自然にできた地形を変えても、いずれは元の地形に戻ることになる。

建築業界は他の業界に比べ、技術革新が遅れている。
そのため、上記の地形に関する研究も歴史が浅く、広く知られていない。
2021年、静岡県熱海市で大規模な土砂災害が発生、尊い人命が失われた。
下図は計画の概要だが、斜面に土を置くだけなので、流れ落ちて当たり前のように思う。

先日、広島県広島市で、下水道工事に伴う道路陥没が発生した。
幸い、人的被害はなかったが、建物が傾き、住人は避難生活を余儀なくされている。
広島市によると、地中を掘進中にシールド機内への異常出水が確認された。
確認された数分後に工事現場上の道路が陥没したらしい。

専門家によると、陥没した地域には、昔、河川があったが、埋め立てられたらしい。
専門家の話が本当なら、埋め立てたことにより、地中に水の流れがあったことになる。
河川の流量の水が流れていれば、掘削すれば、出水して当たり前。
したがって、異常出水ではなく、予見できた出水だったことになる。

自然の地形を変えている地域は多いが、河川の変更は意外と多い。
自然にできた流れを変えたり、コンクリート製の水路にしたりしている。
流れを変えれば、元に戻ろうとする流れが生じる。
コンクリート製の水路にすれば、地中に浸透しなかった水量が増えることになる。

熱海市の土砂災害は、被害者に対する損害賠償などは始まっていない。
現所有者、前所有者、計画を許可した行政が、誰の責任なのか、争っているらしい。
広島市の道路陥没は、工事会社が損害賠償を求められるかもしれない。
個人的には、河川を埋め立てる計画を立案した者にも責任があると思う。

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