2018年12月31日月曜日

銘柄を明かさない理由R248 相場の世界を駆け抜けろ(後編)

自身のオリジナル小説である「銘柄を明かさない理由R」。
いったん、終了していたが、今年、書きたくなり再開した。
タイトルのみ決めて書き始めた「ベイビーワールドエンド編」。
本稿で「ベイビーワールドエンド編」は終了するが、出来上がりには満足しているw

今年の相場は2015年の相場と同様、面白いことになっている。
自身は翌2016年2月の聖バレンタインの虐殺相場、いわゆる大底で買いを入れた。
「銘柄を明かさない理由R」を執筆しながらの買いで、楽しかったことを覚えている。
自身は来年、3年前と同じく「銘柄を明かさない理由R」を執筆しながら買うことにしたw

来年から「銘柄を明かさない理由R クーロンズ・アイ編」をスタートする。
決まっているのは、いつもながらタイトルのみだ。
だが、書き始めれば、あとは登場人物たちがストーリーを作ってくれるはずだ。
それでは「銘柄を明かさない理由R ベイビーワールドエンド編」をお届けするw

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第248話 相場の世界を駆け抜けろ(後編)

大晦日の昼下がり、無敗のJ(ジャック)は河川敷に寝転がっていた。
よく晴れた空にはいくつかの雲が流れている。
今日の雲は動きがゆっくりだ。
雲はさまざまに形を変えながら流れていく。

リーマンショックから10年目の今年。
3年前と同じく、夏頃まで平穏だった相場は、年末へ向けて大きく下落した。
翌年2月、聖バレンタインの虐殺相場が訪れ、相場は大底をうった。
来年、3年前と同じ虐殺相場が訪れるかもしれない、無敗のJは考えていた。

リーマンショックでは、多くの個人投資家が退場を余儀なくされた。
聖バレンタインの虐殺相場でも、少なくない数の個人投資家が退場した。
暴落相場や下落相場は、仕込みの絶好のチャンスでしかない。
にも関わらず、信用取引で買い向かい、退場する個人投資家が後を絶たない。

軽快な足音が聞こえてきた。
足音がした方を見ると、トレーニングウェアに身を包んだ女性がいた。
髪を後ろで束ねた端正な顔立ちには汗が光っている。
トレーニングウェアに身を包んだ女性は、顔見知りの無敗のクイーンだった。

「大晦日なのに昼寝か」、シャドーボクシングをしながら、無敗のクイーンがいう。
「そちらこそ、大晦日にシャドーボクシングか」、無敗のJは寝転がったまま答えた。
「聞きたいことがある」、シャドーボクシングをやめた無敗のクイーンがいう。
「何だ」、無敗のJが寝転がったままいう。

「年明けの相場をどう見ている」、無敗のクイーンが横に座りながらいう。
「気づいていると思うが、3年前の相場とそっくりだ」、無敗のJがいう。
「確かにな。年明け、貴様はどうするつもりだ」、無敗のクイーンがいう。
「さて、どうするかな」無敗のJがいう。

しばらくの間、2人は無言だった。
「ところで、結婚相手は見つかったのか」、無敗のJがいう。
「結婚なんぞには興味は無い」、無敗のクイーンがいう。
「素直に見つかってないといえよ」、無敗のJが笑いながらいう。

「ヒマそうにしている貴様にいわれたくないわ」、無敗のクイーンがいう。
「確かにそれもそうだ」、無敗のJがいう。
「そろそろ行くか、じゃあな」、無敗のクイーンが立ち上がりながらいう。
「またな」、無敗のJがいうと、無敗のクイーンは颯爽と走り去った。

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