誰でも「相場師」になることはできる。
「相場師」として成功するためには、学ばなければいけない。
学ばずに相場を張っても、失敗することは歴史が証明している。
幸いにも偉大なる相場師達は、我々に数多くの教訓を残してくれている。
本多静六という偉大なる相場師がいた。
彼は1866年(慶応2年)に貧農の家に生まれたが、苦学の末、東大教授になった。
「月給4分の1天引き貯金」で得た資金を元手に投資して、巨万の富を築いた。
定年を期に全財産を匿名で寄付、簡素な生活を続け、1952年(昭和27年)に85歳で没した。
自身は株式投資を始めた初期に、図書館で彼の著書「私の財産告白」を借りた。
帰って読み始めると、内容に引き込まれ一気読みしたことを覚えている。
先日、書店で「私の財産告白」を見つけたので、購入し久々に読んでみた。
彼の教えもシンプルであり、我々に数多くの教訓を残してくれている。
「貯金の問題は、要するに方法の如何ではなく、実行の如何である」
彼は通常収入の4分の1、臨時収入の全てを貯蓄し、残った費用で生活するよう努めた。
彼自身言っているが、収入の一定額貯蓄は、古来からある当たり前の貯蓄方法である。
彼の凄さは生涯、「月給4分の1天引き貯金」を実践したことである。
「二割利食い、十割益半分手放し」
彼は株を買う際は現金でしか買わず、思いがけない値上りがあった場合は二割益で利食い。
長い年月の間に2倍以上になれば、元本分を売って回収していた。
値下りした場合、いつまでも持ち続けるので、絶対に損はしないと彼はいう。
「好景気時代には勤勉貯蓄を、不景気時代は思い切った投資を、時機を逸せず巧みに繰り返す」
彼は上記を実践する理由として、以下を述べている。
相場の大変動ばかり心配していては、何事にも手も足も出せない。
投資戦に必ず勝利を収めようと思う人は、静かに景気の循環を洞察することだと。
自身は「私の財産告白」を読んでいなかったら、とっくに相場から退場していたかもしれない。
「私の財産告白」は1950年に刊行、2005年に単行本が刊行、2013年に文庫本が刊行されている。
先日、購入した文庫本をみると、2013年の初版第一刷だったことに驚いた。
個人的には、資産を増やしたいなら、一度は読んでおくべき名著だと考えている。