2016年12月25日日曜日

【Merry Christmas】読者の方へのプレゼント

全国に数人いるかいないかの、「銘柄を明かさない理由R」のファンの方。
お待たせしました、「銘柄を明かさない理由R」のスピンオフを年明けから公開します。
主人公はイケメンの芸人に似た男、淀屋初代本家13代目当主です。
では現在、執筆中の場面から予告編をお届けしますw

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母親の顔は悲しみに満ちていた。
今、初めて出会えたというのに、まるで今から別れるかのような顔。
今まで何人もの子どもを取り上げてきたが、こんな顔は見たことがない。
いったい何があったんや、男性の産婦人科医は思った。

スタジャン姿の男が運転手に行き先を告げ、タクシーは走り出した。
「ほんまハンサムな子や、将来、女の子泣かす子やな」、若い茶髪の女がいう。
「ほ、本当に私が育てることはできないんですか」、母親がいう。
車内が静まり返った。

「ワテの手数料は10%やさかい、これだけ貰うわ」
ハンサムな学生はいい、友人の手から数枚の一万円札を抜き取った。
「いや、噂には聞いとったけどスゴイな。
預かった金を必ず増やす男がおる、ホンマやったんやな」、メガネの男子学生がいう。

「ワシも泣きたいわ、そやけど決まってたことや」、スタジャンの父親も泣いていた。
「ほんま、ありがとうな、ウチはいつまでもあんたの親やさかいな」、茶髪の母親が泣く。
なんで、泣いてるんやろ、明日はご先祖様の墓参りやからか。
ジーンズの息子は朦朧とした意識の中で思い、再び眠りに落ちた。

男は椅子の肘掛にひじをついた手をあごの下で組み、息子を見ていった。
「お目覚めかな、今日から君の教育係になる、よろしく頼む」
「あんた誰や、何いうてんの、訳わからんこといわんといて」、息子がいう。
「前から決まっていたことだ」、よく切れるナイフを思わせる男は微動だにせずいった。

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正直いって、どのような展開になるか、著者もわからない。
だが「銘柄を明かさない理由R」と同じく、相場と連動する小説になる予感がしている。
ちなみに今回の小説は、別ブログで連載をスタートしたいと考えている。
別ブログのアドレスは年明けに本ブログで公開する予定だw