富豪たちは株で財を成した、中には株式取引だけで財を成した者もいる。
起業はリスクが高い、やるのであれば株式取引での資産形成だ。
どうやれば、株式取引で確実に財を成すことができるのか。
そもそも株式投資とは何なのか、男は調べることにした。
企業は設備投資などを行うために、資本家に出資を募る。
企業は出資の預り証として、出資者に株を渡す。
企業が出資した資金を設備投資して、儲かれば出資者に利益の一部が還元される。
自分には少ないながら資産がある、その資産を企業に出資すればよいのか。
男は更に調べ続けた。
株式投資の基本は、安く買って、高く売ることらしい。
すなわち、Buy low,Sell high。
小学生でもわかるシンプルな答えだ。
では、実際に個人投資家の勝率はどれくらいなのか。
株は騰がるか下がるかなので、単純に勝率は5割だと男は考えた。
男は日本証券業協会のホームページで調査結果を見て、目を疑った。
勝っている個人投資家は、5割どころか3割程度だった。
なぜ、3割程度の人しか勝てないんだ。
個人投資家は、株式投資で勝てない仕組みになっているのか。
男は考え続けたが、答えは見つからなかった。
やってみよう、まずは自分で体感しないとわからない、男は取引口座を開設した。
どこの株をどれだけ買うか、男は考えた。
株式投資では1銘柄だけでなく、複数の銘柄に投資することが正解といわれている。
だが、本当にそうだろうか。
大手企業の創業者を投資家としてみれば、自社株への集中投資ともいえる。
市場が暴落すれば、全ての株が一様に下がる。
やはり複数の銘柄への投資ではなく、1銘柄だけに投資しよう。
だが投資先の企業は、絶対に倒産しない企業を選ばなくてはならない。
悩んだ挙句、男は投資先の企業を決定、次の日、初めて株を買った。
ある証券会社の資産運用を担当する部署、アルカディア。
ある日のこと、創設者の社員の元に、興味深い報告が届いた。
ある個人投資家が取引口座を開設、アルカディアのメイン株に集中投資したという話だった。
今後、どのような取引をするか見ておく必要があるな、創設者の社員は思った。
