2016年1月17日日曜日

銘柄を明かさない理由R20 Buy low,Sell high

第20話 Buy low,Sell high

富豪たちは株で財を成した、中には株式取引だけで財を成した者もいる。
起業はリスクが高い、やるのであれば株式取引での資産形成だ。
どうやれば、株式取引で確実に財を成すことができるのか。
そもそも株式投資とは何なのか、男は調べることにした。

企業は設備投資などを行うために、資本家に出資を募る。
企業は出資の預り証として、出資者に株を渡す。
企業が出資した資金を設備投資して、儲かれば出資者に利益の一部が還元される。
自分には少ないながら資産がある、その資産を企業に出資すればよいのか。

男は更に調べ続けた。
株式投資の基本は、安く買って、高く売ることらしい。
すなわち、Buy low,Sell high。
小学生でもわかるシンプルな答えだ。

では、実際に個人投資家の勝率はどれくらいなのか。
株は騰がるか下がるかなので、単純に勝率は5割だと男は考えた。
男は日本証券業協会のホームページで調査結果を見て、目を疑った。
勝っている個人投資家は、5割どころか3割程度だった。

なぜ、3割程度の人しか勝てないんだ。
個人投資家は、株式投資で勝てない仕組みになっているのか。
男は考え続けたが、答えは見つからなかった。
やってみよう、まずは自分で体感しないとわからない、男は取引口座を開設した。

どこの株をどれだけ買うか、男は考えた。
株式投資では1銘柄だけでなく、複数の銘柄に投資することが正解といわれている。
だが、本当にそうだろうか。
大手企業の創業者を投資家としてみれば、自社株への集中投資ともいえる。

市場が暴落すれば、全ての株が一様に下がる。
やはり複数の銘柄への投資ではなく、1銘柄だけに投資しよう。
だが投資先の企業は、絶対に倒産しない企業を選ばなくてはならない。
悩んだ挙句、男は投資先の企業を決定、次の日、初めて株を買った。

ある証券会社の資産運用を担当する部署、アルカディア。
ある日のこと、創設者の社員の元に、興味深い報告が届いた。
ある個人投資家が取引口座を開設、アルカディアのメイン株に集中投資したという話だった。
今後、どのような取引をするか見ておく必要があるな、創設者の社員は思った。