2016年1月29日金曜日

市場は恐怖と欲望によって動かされる(後編)

なぜ、下落相場は「加速する」で、上昇相場は「緩やかに」なのか。
答えは簡単である。
下落相場では、大幅に下落した際の記憶が残る。
例えば、株価が100円下がれば、いつ100円下がってもおかしくないという気になるw

売り手は、100円下がるまで売っても大丈夫だと思う。
買い手は、100円以上、下がったら買いだと思う。
ところが、1,000円だった株価にとって、100円は10%の騰落率である。
いつしか500円になった株価には、100円は20%の騰落率となるのであるw

上昇相場では、反対のことが起こる。
ある日、株価が急に100円騰がれば、100円が心理的な節目となる。
500円の株価にとって、100円は20%の騰落率である。
ところが、1,000円になった株価にとって、100円は10%の騰落率にしかならないw

そんなことは中学生でもわかっていると、いわれるかもしれない。
はたして、本当にそうだろうか。
メディアでは、よく「日経平均株価が○○○円下がりました」と報道されている。
日経平均株価が、前日終値に対しての騰落率で報道されることは極めて少ないw

下落相場は「騰落率が大きくなる」で、上昇相場は「騰落率が小さくなる」のである。
上記の事実は、過去の日経平均株価や株式のチャートが証明している。
買値からの値幅ではなく騰落率を注視すれば、自ずと売買のタイミングは見えてくる。
換言すれば、簡単に恐怖と欲望をコントロールできるのであるw