2016年1月11日月曜日

大手企業勤務が勝ち組とは限らない

AさんとBさんは中学の同級生でした。
Aさんは卒業後、高校、大学を経て、大手企業に入社しました。
他人が羨むような給与でしたが、仕事は激務で同期の多くが心身を病んでいきました。
そのような中、Aさんは出世競争を勝ち抜いて、若くして管理職となりました。

Bさんは卒業後、高校、大学を経て、地元の中小企業に入社しました。
給与は多くはありませんでしたが、仕事は忙しくありませんでした。
ある休みの日、将来のことを考えたBさんは株式投資を始めることにしました。
Bさんは貯蓄したお金で、Aさんの勤務先である大手企業の株を買い続けました。

ある日、Aさんが勤める会社で、Aさんの部下が不祥事を起こしました。
重大なコンプライアンス違反で、ニュースでも大きく取り上げられました。
株主であるBさんの元に、不祥事の関係者に対する処分案の議決権行使書が届きました。
Aさんが関係者だと知らないBさんは、賛成で議決権行使書を返送しました。

その年の株主総会が終わり、Aさんを含む関係者への処分が言い渡されました。
Aさんは子会社へ出向、Aさんは出向先で居づらくなり早期退職しました。
大手企業の株価は、不祥事に真摯に対応したことが好感され、大幅に上昇しました。
大幅な株価の上昇により、Bさんの資産は働かなくても食べていけるほどになりました。

今、AさんはBさんと同じ会社で働いています。
Aさんの給与はBさんより少ないですが、老後の生活費のため、働かざるを得ません。
一方、Bさんは老後の蓄えはあるのですが、仕事の教育係として働き続けています。
Bさんが仕事を教えている中には、Aさんたち中途採用の社員がいます。