2015年12月20日日曜日

銘柄を明かさない理由R2 女王の始動

第2話 女王の始動

社長の話があってから、すぐに社員の辞令が出た。
新たな異動先の部署は、総務部だった。
総務部とはいっても名ばかりで、社員は小部屋で社長の資産運用を調べていた。
「この局面でこの買いをするとは」、社長の運用は社員には驚きの連続だった。

数日後、社員は秘書に以下を用意するように頼んだ。
最大10名が取引可能なトレーディングルームと全社員のリストだった。
秘書から渡された全社員のリストを見ながら、社員は人選に入った。
新たな部署に常時、人が詰めている必要はない。

相場の状況に応じて、いつでも召集できる人材が必要だs
普段は本業の仕事をしていて、いつでも召集できる人材とは誰だと、社員は考えた。
リストの中のある社員をみて、社員は見つけたと思った。
こいつたちなら、いつでも好きなときに召集できる。

社員は、新たな部署の社員のリストアップを始めた。
最終的にリストアップされた社員は、ジャスト10名だった。
翌日、社員は秘書にリストのメンバーを説明会に招集するよう頼んだ。
これから忙しくなるな、社員は不適な笑みを浮かべた。

社内の会議室で行われた説明会は、いつもの説明会とは違っていた。
参加者の中に男性は1人もおらず、参加者は全員が女性だった。
所属している部署はバラバラで、お互いに面識のない者が多かった。
なぜ自分達が集められたのだろう、ひょっとしてよくない話なのか、彼女達は不安だった。

時間になると、前に座っていた社員が立ち上がっていった。
「君たちに重要なミッションをお願いする。
当社の資産運用を君たちにお願いしたい。
今後、私が召集したときに、トレーディングルームに来て欲しい」

ざわついたあと、参加者からの質問が相次いだ。
「ちょっと待ってください、もう少し詳しい説明をしてください」
「こちらにも日常の業務があるんですから、一方的にいわれても困ります」
「私はトレードするために、入社したのではありませんし、できる自信がありません」

一通りの質問が収まると、社員はいった。
「これはトップダウンで、当社にとって最優先の業務だ、来たくない奴は来なくてよい」
一転して静まり返った会議室で、社員はいった。
「必要なことはトレーディングルームに来たときに教える、以上だ」